彼は私の頑なな回答に
呆れたような感じだったけど
それでめげることなく話題を変えて
話しかけてきた。
「大学生か…
楽しいのか?大学ってのは」
「別に……
私はただ卒業できるようにってだけで
行ってます」
「本当に冷めてんな…」
「だから友達いないんですよ。
別にうわべだけの友達とか
要らないですけど」
「だから俺が友達だろって…」
「……ユンギさんホント変わってますね…」
「…いや、君程じゃないわ……」
ちょっとだけ
皮肉を込めて言ったつもりなんだけど
彼は平然と太刀打ちしてくる。
今まで出逢った男は大抵
こういう性格を見せた途端
イメージと違ったと言って
居なくなって行ったから
彼のように笑って
めげずに食いついてくる人は
本当に珍しい。
私は過去に付き合ってた人との
そういうトラウマがあって
いつしか男性と関わること自体
避けるようになっていた。
偽りの自分でいなきゃいけない人と
いる必要はない。
そう心に教訓として留めていた私は
関わる男性には
最初から試すように
本性を出すようになっていた。
だから最近
近寄ってくるような男は
私の性格を知って
しつこく付きまとってくることは
ほとんどなくなっていた。
でも彼とは
お客さんと店員の関係であるはずなのに
初っぱなから
こんなに気を使わないで
話せている。
私の素を出して引かない男性は
正直初めてだった。
彼はその後も
私の日常をさりげなく聞いてきて
私も自然とそれに答えていた。