「今日……店長に話してくれたの?」




彼女がいきなりそう言うから

店長から話があったんだと知る。







「おぅ。話しておいた。
俺から言った方が効果あるかなぁと思って」






普段ならこんなお節介
めんどくさくてしないけど



きっと彼女のことだから
やってしまうんだろう。





自分で自分の行動に少し笑ってしまった。










「ありがとう。
ごめんね…面倒かけて……」



「面倒だと思ったらやんねぇよ」






そう言うと
彼女のふふっという音が聞こえた。









「何笑ってんだよ」



「ううん、別に…
お礼……何が良い?」



「デート」








俺は即答した。








「…は?」






それに対して
彼女からは間抜けな声が返ってくる。









「だからデートしろっつってんの」





「…………デートって何……」





「何って……知らねぇ……
お前はどっか行きたい所とかないのかよ」



「特には……」






欲のねぇ女だと心で笑ったけど

なんかやっぱり
自分と似てる気がした。








「ま、い~や。
何するかは考えとく。
そのうち予定合わせてどっか付き合って」




「………分かった」








俺が人生で初めて
デートに誘った瞬間だった。