公式でデビュー日が発表される日。
俺はなんとなく彼女に電話して
デビューのことを伝えた。
デビュー日よりもその前が忙しくて
反ってデビュー日の方が
早く帰れそうなスケジュールだったので
デビューの日に
彼女を食事に誘おうと思った。
でも彼女には
「その日
バイト終わってから予定があるんで…」
と断られた。
「友達とごはんとかか?」
「なんか合コンだそうです。
人数合わせに協力してって……」
俺はえっ と思った。
「合コンとか行くんだ……」
「普通は行きません。
面倒だし……」
「じゃあなんで行く?」
「唯一の友達がどうしてもって言うから……」
彼女は根は優しいから
友達は少ないって言ってたけど
その少ない友達にはすごく優しいんだろう。
俺は仕方ないと思って
「へ~。
じゃあまた今度。じゃな」
電話を切った。
でも
電話を切ってから
妙に落ち着かない気分になった。
なんとなく
初めての感覚というか……
でもまぁ
彼女が合コンに行くって聞いて
彼女はフリーかもしれないと
知ることはできたけど………。
デビュー当日。
慣れないながらに仕事を終えると
彼女のいるマッサージ屋さんへ向かった。
なんで行ったのかって聞かれると
よく分かんないけど
なんとなく行ったっていうのが本音だった。
外で彼女を待ってみる。
30分程して
彼女が出てきた。
「………おい」