彼女との出逢いは
俺が二十歳になる少し前。
今から約6年前の
デビュー前練習生の頃だった。
この業界を志していた
まだ幼い頃の俺は
まさか
ダンスをするようなグループに入るとは
全く思っていないくらいに
ダンスというものに馴染みがなかった。
今では得意ではないにしろ
それなりに踊れるようにはなったけど
練習生時代はまだ体力もなく
体がかなりしんどかった。
体力作りはもちろんやって
だんだん付いてはいったけど
元々細身の俺の筋肉や筋は
幾度となく悲鳴を上げていた。
そんな時に
ダンスの講師に教えてもらって
とあるマッサージ屋さんを紹介してもらった。
彼女とは
そんな思いもよらない所で出逢った。
そのマッサージ屋さんは
人気なだけあって
静かで落ち着いた雰囲気で
初めての俺でも
なんとなくホッとする感じだった。
受付に行き、名前を言うと
「伺ってます」
とすんなり中に通され
案内された部屋は
さわやかなアロマの匂いのする
茶色を基調とした小さな個室だった。
「こちらにお掛けください」
言われた通りに座って待っていると
ノック音と共に
「失礼します」
という声が聞こえてくる。
入ってきたのは若い女。
パッと見、俺と年が近そうな感じ。
オーラが青系の
初めて見るタイプの女だった。