-モヨン目線-
私は過去に傷を負ってから
人と関わることを避けてきた。
男も女友達も信じられない。
顔だけじゃなくて
本当の私
性格も含めて愛してくれる人なんて
一生いないと思っていた。
彼に出逢うまでは……。
私は
現実世界で
人と関わることを避けて
非現実の世界で生きていた。
私が心を閉ざしていた時に
心に光を灯してくれたのは
BTSだった。
彼らの音楽は
私の心にスッと入ってきて
綺麗事ばかりではない歌詞が
私の心の傷を癒してくれるようだった。
BTSの中でも特に
ジョングクさんが好きで
彼の透き通った声に癒され
彼の笑顔を見ると
あぁ、幸せだなって思えた。
BTSは暗い私の人生の
唯一の楽しみで生き甲斐だった。
ある日
BTSのライブ会場近くで
私は出待ちをしていた。
私にとっての天使たちを
一目でも見られれば
また
現実世界を生きる力が貰えそうだったから……
だから私は今までも
何回も出待ちをしたりして
私はたった一人で彼らを追っていた。
でも最近BTSの人気が高まっていて
出待ちの人も増えてきているのを感じる。
本来、人を怖いと思っている私は
それが少しだけ怖くもあった。
その日も例外なくすごい人だった。
早くから待機していたから
通り道の近くは陣取れたけど
すぐ後ろにいる人たちの圧が怖かった。
でも私の天使を見ることに集中しよう………
天使が訪れるのをじっと待つ。
しかし
その時が来ると
私は後ろから思いっきり突き飛ばされた。
私は彼らの通り道に投げ出され
体を強く打って
すぐには立ち上がれなくなった。
あぁ、自業自得か………
顔をしかめていると
視界に誰かの手が入ってきた。
ふと顔を上げると
それはホソクさんだった……
ホソクさんは同じ中学出身のスター。
中学生の時からダンスがすごいって噂で
密かに憧れていただけに
ものすごく緊張して
逃げたくなって
痛む体を起こして
走って逃げた。
せっかく私なんかを
助けてくれようとしてくださったのに
私はなんたる無礼者なんだろう……
天使に酷い事をした自分を恨んだ。