彼女はかなり驚いたようで
絶句していた。



















「お姉さん
俺と付き合わない?」







僕は彼女の懐かしさも感じるその反応に
少し笑いながらそう言って

彼女に少しずつ近づいて行った。









「ふふ……やっぱ可愛い」









近くで見る彼女は
相変わらず可愛い顔をしていて
更に綺麗になっていた。










「一目惚れを2回もするくらいだから
俺、本当にヌナの虜だよね」




そう言うと





「ほ……………本物…………?」


彼女はやっとのことで言葉を発した。










「触ってみる?」


僕はニヤニヤしてしまった。











「な…………なんで…………?」










「ヌナを迎えに来た」












「あ…………えっと……………」


「これ」






僕はポケットから紙を取り出して見せた。






それはいつかの握手会でもらった
彼女の住所が書かれたメモ。






「サンウさんからもらって、来ちゃった」








「え…………あの…………家に……………?」



「うん。行ったよ。
ヌナのお母さん美人だった。
お父さんにも会ったよ。
カッコ良くて優しくて
仲良くなりたいって思った」



「…………」







彼女は状況が理解出来てないようで

驚いた顔のまま黙りこくってしまった。









「○○○さんは?って聞いたら
ここのパン屋にいるから
迎え行ってあげてって
お父さんが言ってくれたんだ」


「…………」


「お父さん本当に優しかったよ」


「………そ、そう…………」












「ヌナ。帰ろ?」








「帰るって……………どこに……?」


「韓国」








彼女は目を見開いた後 


僕から目を反らして
はぁっと一息吐いた。












「もう、戻らないよ………韓国には……」