私は冷静でいられるわけもなく………
時折
と送ってくれる彼のLINEで
気持ちを落ち着かせて
家事で気を紛らわせた。
夕方に突然鳴り出すチャイム。
恐る恐るモニターで確認すれば
記者が何人か立っていた。
怖くなって
なるべく奥の方に居ようと
バスルーム付近をうろついていた。
しばらくすると
鍵を開ける音が聞こえてきて
心臓が止まりそうなくらいドキドキした。
廊下で息を殺してじっとしていると
玄関から2人の男性が入ってきて
すごく焦った。
でも
顔の見える位置まで近寄って来ると
片方の男性が見覚えのある人で驚く。
「○○○さん、ごめんなさい。
驚きましたよね?大丈夫ですか?」
そう声を掛けてきた優しそうな男性……
サンウさんだった。
私は何だか急にホッとして
ストンと腰が抜けた。
「괜찮아!?(ケンチャナ!?)」
私は男性2人に支えられるようにして
リビングへ移動した。
ソファに座らせてくれて
気持ちが落ち着くと
サンウさんと一緒に来た
もう一人の男性が話をし始めた。
その人はどうやら
Big Hit所属の日韓通訳の方らしく
日本人だった。
「サンウさんが
日本語に自信ないからって
声を掛けていただきまして
今日ここにお邪魔しました。
Big Hitで日韓通訳をしております
芦野と言います。
よろしくお願いします」
芦野さんは穏やかそうな
少し年輩の方だった。
「よろしく………お願いします……」
「あまり緊張なさらず…。
こんなお若い方とお話するなんて
私の方が緊張してしまいますから」
芦野さんの話し方は優しくて
肩の力がすぅっと抜けていくのを感じた。
「○○○さん。
報道の事……不安ですよね。
一人でおられるのは
さぞ心細かったことでしょう……」
私の不安を察するように
サンウさんと芦野さんは
落ち着いた雰囲気を作ってくれた。
