翌日から
また元気を取り戻して
寮母としてしっかり働いた。






朝食には
テヒョンさんご希望の
お味噌汁を出してみた。





「これは味噌汁ですか?」

「そうですよ。
熱いので気をつけてください」




テヒョンさんはフーフーと吹いて
少し冷まして、一口飲んだ。




「あ~~~何と言うか…
あ~~~っ」


身ぶり手振りをしながらも

思ったような日本語が
出てこないという感じで
もがいていたので



私は半分笑いながら




「お口に合いますか?」


と聞いてみた。






「合います!とっても合います!
グーです!毎日良いです!」



気に入ってくれたみたいで
ホッとした。





「なんというか……
温まる?感じですね~」

「染みますか?」

「しみる?
この感覚、しみるって言うですね?
しみるしみる~~みそしる~」




私はテヒョンさんの日本語が
可愛くて面白くて
クスクス笑っていると



食べ終わったグクが
食器を片手で持って立ち上がり



私の腕を引いて
キッチンの中へ連行した。






「あ~ジョンゴギ妬いてる~」





そう言うテヒョンさんも無視して


グクはキッチンの中で
私の事を近距離で
じーーっと見つめてきた。






何だろうと緊張していると



「可愛く笑いすぎ。
必要以上に愛嬌振り撒かないで」


と彼に怒られた。







グクは膨れた顔をしていたけど



私は嫉妬してくれたのが嬉しくて



らしくなかったけど
思いきって背伸びをして
彼にキスをした。




私の背が低すぎて
彼の顎にキスをしてしまったけど……。





グクはかなり驚いていて
固まってしまったのを良いことに


私はダイニングの他のメンバーの元へ
逃げた。







結局

朝食の時間が終わって
皆が部屋に戻れば


キッチンでの
グクの甘えん坊タイムが始まって
きっちり仕返しされてしまったけど……。








昨夜彼とちゃんと話をしてから

何か吹っ切れて
私も少し
彼と甘い感じを出せるようになった。



彼の事は本当に
本当に好きだから……。











そんな幸せの時間も束の間。










あんな事件が起こるとは
この時は思いもしなかった。