当日
いつもより
少し女の子っぽいファッションにして
家を出る。
心に決めた事を伝えるべく
緊張しながらあの緑の公園に向かった。
少し早めに公園に行って
何と話すか
頭をフル回転させて言葉を考えていると
「さくらさん?」
韓国で日本語で話し掛けられること自体
あまりないから
声の主は
ナムさんだとすぐに分かった。
「あ……ナムさん……。
ありがとうございます。
わざわざ来ていただいて」
「それは僕もです。
ありがとうございます」
かなりの緊張感の中にいるせいか
沈黙が辛くなって
思わず口を開く。
「あの……ここまで大丈夫でしたか?
後つけられたり……」
「大丈夫ですよ。
さくらさんは
心配しないでください」
ナムさんはエクボを作って
私に微笑んでくれて
少しだけホッとした。