「ここが僕とジョンゴギの部屋。
頑張ってきてください!」


妙に応援されてしまって
益々不安になった。




仕方なく
そーっと部屋に入ると
部屋の中は結構ごちゃごちゃしていて
男性の部屋感がすごくあった。


でもほのかにグクの匂いがして
ちょっとホッとした。





中へ足を進めると


壁の方を向いて
布団を抱き枕のようにして眠るグクの姿。



決して寝相は良さそうではないけれど
それがなんか可愛くて

1人ふふ っと笑った。









とりあえず起こしてみようと
背中をツンツンしてみたけれど
起きる気配は全くない。


寧ろ寝息すら聞こえる。








脳が起きてないから
日本語はダメだろうと思って

「イロナー」

と言いながら少し強めに揺さぶってみると
今度は嫌がられた。










やっぱ私じゃ無理そうだなと半ば諦めて

「グクー。グクー?」

とツンツンしてみると
意外にもモゾッと動いた。










これで起きなかったら
ナムジュンさんたちに頼もうと思って

もはや適当になって



「グクー起きてー」

と少し大きめの声で言ってみた。









すると

意外なことに




グクが半目で
上体を起こしながら振り向いた。






私は逆にビックリして
目をパチパチする。







「……?ヌナ……………?ウェ?」



グクは再び目を閉じて
そのままそう呟く。






怒られると思って


「勝手に入ってごめんね…」


とびくびくして謝ると





「ん……?」

と完全に起き上がって目をこすっていた。






「あ………そうだ…………
夢じゃなかったんだ…」



グクは独り言を呟いて
髪の毛をわしゃわしゃしている。







そんな寝起きの状態でさえ
すごくカッコいい彼が恐ろしくなってきて



私は

「あ……ごはんできてるから……じゃあ……」

と足早に部屋を出た。