「ヌナ?
お~いヌナァ?
何ぼーっとしてんの?」
テヒョンくんに顔を覗き込まれて
ハッ とした。
「や……考え事……って、テテ近いって……」
あまりにも彼が近寄ってくるから
私は思わず顔を背けた。
「ちぇっ。
ヌナは相変わらず冷たいなぁ…」
冷たいというか
こういうのに慣れてないからなのに…
と私は内心思った。
テヒョンくんに連れられて
ソファに一緒に座ると
ふーっと息をつく。
「ヌナお疲れさま~。
今日もごはん美味しかった」
そう言ってニッ と笑う彼を見ると
疲れも吹き飛ぶ。
「なら良かった~。
連絡の方は大丈夫?」
「ナムヒョンからだった。
明日朝早いから早く帰って来いよだってさ。
今日こそ泊まりたかったのに~」
膨れている彼を横目に
今後彼を泊めるとなると
妙に緊張しそうだなと思った。
「今日は会えただけ良かったよ」
私がそう言うと
テヒョンくんも嬉しそうに
「うん。
ヌナが彼女になったから
それだけで幸せ~」
と言ってくれた。
「明日も忙しそうだから
今日は早めに休まなきゃでしょ?
ナムくんに怒られちゃうから
早く帰んないと」
「ん~。
でもヌナともっと居たい…」
テヒョンくんは
スリスリと二の腕に寄ってくる。
「甘えん坊だね、テテは」
「ん~ヌナだからかな」
テヒョンくんがくっつきながら
私を上目遣いで見てくるから
恥ずかしくて私は目を背けた。
すると
テヒョンくんは
「隙有り」
と言って
私の腕を引っ張った。
気づいたら
彼にキスをされていて………
初めて彼に
唇にキスされた。