テヒョンくんは箸を止めて固まった。






「え…??
俺耳変なのかな…?
夢見てる?俺今寝てる?」








私は見たことのないテヒョンくんの動揺が
可笑しくて吹き出した。








「ねぇヌナ。
なんか口の周りに
ごはん粒が沢山ついてたことに
今気づいたんだけど、全部夢だよね…?」







テヒョンくんは目をパチクリさせたり
頬をつねったりしている。








「ねぇ、ヌナ。
なんか夢じゃないみたいなんだけど…
もう1回言って?」







さりげなく言ったことを
もう1回要求されると
妙に緊張してしまう。







「え~?やだよ…」





そう言うと

テヒョンくんは箸を置いた。










「ねぇヌナ?
………ホントに俺と付き合ってくれるの…?」








私も箸を置いた。








「私で良いのなら…………」



「良いに決まってるでしょ!?
結婚前提なんだから!」



「え…?」



「そうだよ?」



「本当に言ってる?」



「本気」







テヒョンくんは
四角い口で無邪気に笑って言うから
本当なのかは分からなかったけど

 


突然
お付き合いする決意をしてしまった訳だし







先の事は分からないから  






今真剣に考えるのは辞めた。









テヒョンくんは
私の返事をものすごく喜んでくれて


ニコニコしながら
ごはんを美味しそうに食べていた。








「ヌナのごはん食べてる時に
ヌナの良い返事が聞けるなんて
俺今すっっっごい幸せ……」



「なんかムードないタイミングで
返事してごめんね?」







普通はちゃんとした所で
返事をするものだと思うけど




衝動的というか






テヒョンくんと居て
幸せだなぁと思ったから

場を選ばずに答えてしまった。









「ううん。
俺は結構こういうシチュエーションで
言われるのが憧れだった」



「そ……そっか……
じゃあまぁ良かった…か……」







私たちは微笑み合った。