席へ戻ると
「大丈夫でした?」
とスンギさんに聞かれて
私は少し動揺してしまった。
「え…?あ……だ、大丈夫です!」
「そうは見えないけど…?」
彼に見透かされてしまいそうで
ドキドキした。
「いや、本当に大丈夫なので!」
「そう?
じゃ、まぁ食べましょうか。
冷めちゃう前に」
彼はそれ以上詮索してこなかったので
内心ホッとした。
「○○さん
仕事の方は今探し中なんですよね?」
「はい。
今就職支援センターに
行ったりしてるんですけど…
なかなかやりたいこと
見つからなくって……。
でもずっと無職でもいられないので
バイト始めようかなって思ってます」
「そうなんだ~。
○○さん愛想良いし
仕事も出来るなと思ってたから
何しても上手くやれそうですけどね」
「や~、それはスンギさんこそですよ」
そんな風に
和やかな雰囲気で話をして
私はとてもリラックスしていた。
しかし彼は突然
ドキッとするようなことを言ってくる。
「まぁこのまま働かなくても
いいんじゃないですか?
僕は専業主婦、良いと思ってますけど」
それって私に言ってる…?
それとも勘違い…?
私は反応に迷ってしまった。
「いやぁ~
今時女性も働かないとですよ。
年金も貰えないかもしれない訳ですし…」
とりあえず勘違いしてないよ
というアピールもできるかと思って
真面目に返しておいた。
でも
「○○さんは現実的ですよね。
ちゃんと先を見てる。
だからBig Hitを辞めるっていう
選択をしたんだろうし…。
辞めたことはもちろん残念ですけど、
○○さんの考えはとても素敵だなって
僕は思います」
褒められてしまって
はたまたドギマギしてしまった。
「え、ま、まぁ…先を見たと言っても……
決まってないのに辞めてますけどね~」
なんて自虐でごまかして
「そういえばスンギさんの部署って………」
と話題を変えた。
色んな意味でドキドキすることもあったけど
彼とはその後
主にBig Hit時代の話をして
懐かしくて
楽しい時間を過ごすことができた。