しばらくスンギさんと
美味しい料理を食べながら
お互いの近況を話して
和やかな空気になる。
がしかし突然
私のケータイに着信が入った。
「僕に構わず出てきていいですよ」
彼がそう言ってくれたので
「すみません…」
とそっと席を外した。
店の外へと向かいながら
誰からの着信かも見ずに電話に出ると
「あ、ヌナ?今どこいる~?」
というテヒョンくんの声が聞こえてきた。
こんな時間に
テヒョンくんが電話をしてくること自体
すごく珍しいのでビックリした。
「レストランだけど………」
「あ、誰かと会ってた?
ごめん……」
彼がシュンとしたのが声から分かった。
「大丈夫だよ。どした?」
「ん?今休憩してて
今日早く終わりそうって
スタッフさんが言ってたから
ヌナの家に遊びに行こっかなーと思って」
それを聞いて
私は急に焦り始めた。
ランチだから
帰りはそんなに遅くならないはずだけど
1日に2人共会うとなると…………
なんだか
心がグラグラに揺れてしまいそうだ。
そんなことを考えて
返事に困っていると
「あ、ヌナ?もしかして予定あった?」
そう聞かれてしまって
また言葉に詰まってしまった。
「俺さ
ヌナに話したいこと色々あってさ
出来れば今日会いたいんだよね」
何のことだろう…
電話では言えないことだから
家に来るって言ってるのかなと思って
「いいよ、来ても」
と言ってしまった。
私の返事を聞くと
テヒョンくんは声が明るくなって
「じゃあまた連絡する!
今から撮影頑張ってくるね!!」
と言うから
「そ、そうなんだね!
ファ…ファイティン!」
ちょっとぎこちなくだけど
彼に合わせて返答した。
彼との電話を終えると
私は足早に店内へ戻った。