その日の夕方
私はなんとなく心配になって
テヒョンくんにLINEを送った。
彼は忙しいだろうから
返事は初めから期待してなかったけど
1時間程くらいして返信が来た。
病み上がりで
キツいダンスはあまりにも酷だろうと
心配だったので
それを聞いて少しホッ とした。
彼に返信すると
私は夕飯の支度に取り掛かった。
夜23時過ぎ。
そろそろ寝ようかと
ベッドに座ったところで
突然ケータイの着信音が鳴った。
「もしもし?」
「あ、ヌナ?寝てた?」
「まだ寝てないよ。どうしたの?」
「ちょっと電話…大丈夫?」
「うん」
最初は今日の仕事の話を聞かせてくれて
今日は体調も悪くならずに
レッスンを終えられたようで
ホッとした。
活動をしながらも
次々と準備を裏で進めなければならない
彼らの大変さは
近くで見ていたからよく分かる。
BTSの子たちはみんな大人で
弱音なんて滅多に吐かない。
それを知ってるからこそ
話し相手に
聞いてあげられる人になりたい
そう思っていた。
「じゃあ本題ね」
仕事の話が終わると
テヒョンくんは声色を少し変えて
そう切り出した。


