私は彼を見送ろうと玄関に行く。











ふと昨日の熱のことを思い出した。






私は無意識に手を伸ばして
テヒョンくんのおでこを触る。





熱がないことを確認して
ホッとして手を離すと






テヒョンくんは私の腕を掴んだ。











ビックリして彼を見ると
彼はじっと私の事を見下ろしていた。






私はハッ として彼に謝った。







「ごめん…急に触って………」







すると彼は
掴んだ私の腕を彼の方へ引っ張ってきた。








その腕に気をとられていると










彼は掬い上げるようにして

私の唇のすぐ脇にキスをしてきて







私は固まった。











「お口にできるのはいつかな~」






彼はかがんで
私の顔を覗き込んでくる。






「や………………や……めてよテテ…………
し…心臓に………悪い……から………」







私はやっとのことで言葉を発して

恥ずかしさに顔を覆った。








「たまにドキドキしてもらわないと
ヌナの気をとられちゃうから」





彼はよく分からない言い訳を言って





「じゃ、行くね!
面倒見てくれてありがとう。
電話するね!」





そう言った。










彼は私の頭をポンポンと撫でると
玄関を出ていく。











私は玄関でポツンと一人残されて







胸に手を当てて深呼吸をした。












テヒョンくんは可愛くて
基本的には居心地の良い人だけど
ホントに心臓に悪い。






私が気にしている
釣り合う人かどうかという点は
テヒョンくんもスンギさんも
どちらも釣り合わないと思うけど




テヒョンくんからのドキドキ感は
並大抵ではなくて……








その点彼と付き合うことを選ぶのは
危険だと思った。










スンギさんは一般の人。



そのレッテルがあるだけでも
私の肩の荷は下りる。







スリルより平凡、安定の方が
私には合っている。













でも…………









私は選択できない選択に
大きなため息をついた。