約束の日。
私は待ち合わせのレストランへ行った。
私が着いた時には
彼は既に来ていた。
「お待たせしました…」
彼に声を掛けると
彼は顔を上げて笑顔で答えてくれた。
「いや全然待ってないよ!
じゃ、中入りましょうか」
彼が選んでくれたレストランは
すごくお洒落で
さすがモテる人は違うなと感心した。
最初のうちは
入社当時の懐かし話をして
場が和んだ所で
彼はこの間の送別会の話を持ち出してきた。
「この間の送別会で気になったんだけど
○○さんって
テヒョンさんと付き合ってるの?」
私は思わず
飲んでいた紅茶を吹き出しそうになった。
「ゲホゲホ………」
「あれ、図星?」
「や!違いますよ!」
私はむせながらも
彼の発言を否定した。
「○○さんが帰った後に
みんなで飲み直したんだけど
話題はそれで持ちきりでさ」
「え………」
私は思いっきり動揺した。
「○○さんが酔っている間に
テヒョンさんたちが来て…
そしたらテヒョンさん
一目散に○○さんの所に行ったから
みんななんか見ちゃったって……」
私は頬が熱くなったような気がした。
「僕もビックリしたよ。
テヒョンさん…僕の事……
睨んでくるから………」
「え…………」
私はただただ驚いた。
「テヒョンくんは……
そんな子じゃないと思うんですけど………」
テヒョンくんは愛想が良いから
スタッフで可愛がっている人も多くいる。
そんな彼が睨むなんて……
スンギさんは勘違いしているのだろう
そう思った。
でも
「ん~あれは………
男にしか分かんないってやつなのかな~」
私はスンギさんの
その発言の意味が分からなくて
首を傾げていた。