私は自分の酷い顔を心配して
目を開けられなかった。
「起きてるんでしょ?」
「………。」
目をつぶったまま黙ってじっとしていると
ふいに顔に息を吹きかけられて
思わず目を開けてしまった。
彼と目がバッチリ合って
途端に気まずくなる。
「ヌナ、なんで寝たフリしてたの?」
「……顔が……酷いから………」
顔を背けてそう言うと
テヒョンくんが鼻で笑った音がした。
テヒョンくんは私の耳元で
「もうヌナのすっぴんも知ってるから
今さらだよ~」
と言ってくるから
私はカーッと顔が赤くなるのを感じた。
私は顔を背けたまま
彼に問いかけた。
「テテは………なんでここにいるの…?」
「酷いなぁ…。俺が来ちゃダメなの?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど…」
「今日送別会って聞いてたから
メンバーみんなで行こうって。
みんな、ヌナにお世話になったからさ」
忙しいはずなのに……
私の為にわざわざ来てくれた事が
すごく嬉しかった。
それなのに私は泥酔して
こんな所で寝てるなんて……
自分の失態が恥ずかしくなった。
「そっか……。私……最低だ……」
私は大人なのに情けなくて恥ずかしくて
顔を手で覆った。
「大丈夫だよ。
主役を
ガンガン飲ませる人たちが悪いんだから」
テヒョンくんはみっともない私を
優しくフォローしてくれた。