一か八かだったけど
男は英語が分からないようで
キョトンとしていたから
僕の作戦は成功だった。
彼女は店長と思わしき男性と戻ってくる。
店長はその男性客の対応を引き受け
彼女はカウンター業務に戻ることが出来た。
彼女は僕に
口の動きだけで“ありがとう“と言ってくれて
次のお客さんの対応に当たっていた。
最近日本人というだけで
声を掛ける人が結構いると
何処かで聞いたことがある。
今回は僕が助け舟を出せて良かった。
結局その日はカフェが混んでいて
彼女と話すことは出来なかった。
しかもカフェのお客さんから
僕だってバレてしまって
「ナムジュンさんですか?」
と声を掛けられたりしたので
早々に僕はカフェを後にすることとなった。