「ヌナの事、大事にする。
でも……寂しい思いさせたらごめん。
でも僕は
きっとヌナよりも
もっともっと寂しいから…
だから許して……」
彼の言葉が私には嬉しくて
私は
「私はずっと待ってるよ。
仕事……頑張ってね。
私じゃ支えになれないかもしれないけど…」
と想いを伝えた。
「ヌナは居てくれるだけで
僕の支えになるから大丈夫。
僕の側にいて。
…それだけでいい」
グクはそう言って微笑んで
頭を撫でてくれた。
それからしばらく
のんびりとグクとお話をして
久しぶりにゆっくり話をした気がして
すごく幸せだった。
「ねぇグク?
今日夜お仕事なんでしょ?
少し寝た方がいいんじゃないかな……?」
でも
彼の貴重な休みを潰しているようで
申し訳ない気がしてきた。
「ん~。テキトーに寝るからいいよ~」
そうは言うものの
グクは声からして明らかに眠そうだった。
「私のベッド使っていいから、少し寝て?」
グクをベッドに案内しようとしたけど
彼は全然動こうとしなかった。
「……グク?」
「ヌナと居たい……」
「でも体も大事にしないと……
心配だよ……」
そう言うとグクは
「……ヌナに心配されるの………幸せ……」
そう呟きながら
テーブルに突っ伏して寝てしまった。
私は焦って
彼が風邪を引かないように
毛布やら膝掛けやらを持ってきて
掛けてあげた。
「ん…………ヌナの匂い………」
グクは寝言のようにそう呟いて
すやすやと寝息を立て始めた。
少しだけ見える彼の寝顔は
あどけなくて本当に可愛くて
ついニヤけてしまう。
私は起こさないように
彼の傍で
本を見たり
ケータイを触ったりして過ごした。
30分くらいすると
彼は目を覚まして
私の方を見た。
すると彼はいきなり
私の触っていたケータイを横取りして
「ヌナ!浮気ダメ!!」
と怒るから
私は唖然とした。
今晩のおかずを考えていただけなのに…
私は思わず吹き出した。
グクはケータイの画面を確認すると
「ミアネ~」
と少し恥ずかしそうにしていた。
「夢でヌナが
知らない人とデートしてたから…」
グクはそう言いながら
寝ぼけ眼でボーッとしていて
私は思わず笑みが溢れた。
「ヌナの今日のごはん?」
グクは画面を指差している。
「うん。
韓国料理はまだ作れないから
日本料理なんだけどね」
「美味しそう………食べたい!」
「え……?」
「ヌナのごはん食べたい!!」
「いや……………え~?」