ウェイトレスが去っていくと
僕は
「ヌナ…」
と声を掛けた。
「ジョングクさん…。
やっぱり………私………
本当に自信なくて…。
今でも
ジョングクさんと話してる事も
一緒にいる事も
信じられないんです。
夢なんじゃないかって
いつかは覚めるんじゃないかって…。
ジョングクさんは私の憧れの人だから…。」
彼女は俯いたままそう話した。
「じゃあ、夢じゃなかったら
付き合ってくれますか?
僕は…
ヌナに何か頑張って欲しいと
言ってるわけじゃないんですよ?
そのままでいいんです。
ヌナはそのままがいいんです」
僕は彼女にストレートな気持ちをぶつけた。
彼女はそれを聞いて目がうるうるしていた。
「ジョングクさん…」
彼女の頬に一筋の涙が流れた。
「ヌナ…
じゃあ…1週間…
お試しで付き合ってください。
それからヌナがどうするか決める
っていうのはどうですか?
僕が夢じゃないって証明しますから」
彼女は涙を浮かべたまま
静かにコクリと頷いてくれた。
その後は
「泣かないでくださいよ~」
と 僕は彼女の泣き真似をして
少し笑いながら
ティッシュを彼女に渡した。
そして
僕たちは最後のデザートを食べる。
ほんのり甘い味が
今の僕の気分を表すようだった。
食事が終わると
僕たちは部屋へ向かった。
彼女の部屋は僕の部屋の隣で
でも何となく
彼女とまだ一緒に居たくて
彼女の後ろをついていく。
彼女の部屋に着くと
ドアの前で彼女は振り返った。
「ジョングクさん。
色々とありがとうございます。
お疲れでしょうから
ゆっくり休んでください」
彼女は優しく微笑むと
鍵を開けて中に入っていこうとする。
でも
僕は我慢できなくて
開き掛けたドアに手をついた。
すると
彼女はビックリして振り返る。
背の低い彼女は
手をつく僕の下で怯えた。
でも僕はそのままドアを押し開け
彼女の背中を押して
一緒に中に入って行った。