考え事をしているうちに



彼がバスルームから出てくる音がした。










「ヌナ何してんの?」


と声を掛けられて







顔を上げた瞬間








とんでもないものが目に入った。














テヒョンくんが
上半身裸で出てきたのである。









私は思わず







「やー!ちょ、ちょっと待って!」


と可愛げなく叫んでしまった。











「ちょっと!!服は…?」



「え?だって持ってきてないもん」



「や、そうだけどさ…」








彼は平然としているのが声で分かる。





焦っているのは私だけだった。










「ま、待って…。それは困る。
何か探すから……ちょ、ちょっと待ってて」







私は慌ててクローゼットから服を探した。






でもやっぱり体の大きいテヒョンくんが
着れるようなものはなかった。









仕方なく
大きいバスタオルを出して
彼に渡す。








「ごめん。これしかなくて…
これでも巻いて」



「別に要らないのに…」






そう言いながら
彼はバスタオルを受け取った。















「でも、安心した。
男物出てきたらどうしようかと思った」



「そんなわけないでしょ。
ていうか、ここは寮じゃないんだから
少し気遣って…」 






私はそっと彼に注意をした。










「ヌナ、慌てると可愛い。
初だね。初~」






彼は私をバカにしていた。







「もう…バカにして……。
確かにそうだけど…。
一応…
付き合った事くらいはあるんだからね!」







私はムキになって
そんな事を膨れて言って




バスルームへ向かった。