「でも綺麗になったよ」
テヒョンくんは
ドキドキしている私にお構いなしに
至近距離でじーっと顔を見てきた。
「あ…あの…絶対気のせいだって…」
「もう俺ずぅぅっとヌナに会いたくて…
でもLINEも返信来ないし
仕事してない時なんか
気が気じゃなかったんだから!」
「わ…私だって!…心配してたんだよ?
テヒョンくんがスキャンダルで
精神的にも追い詰められてないか…」
「ヌナ…」
テヒョンくんはうるうるした目で
私に抱きついてこようとしたので
私はサッと後ろに手をついて
阻止した。
「うぅ…ヌナガード固い…」
テヒョンくんはきちんと座り直して
膨れた顔をしている。
「だって……緊張しちゃうし…」
あまり考えずにそう言ったのに
テヒョンくんは驚いた顔をしていた。
「え、ヌナ…俺に緊張してくれてるの…?」
それは誰だってするでしょ…と思って
「や…テヒョンくんに対しては
誰だってすると思うけど…」
そう言ったら
「ヌナはてっきり
俺に何も思わないのかと思ってた。
ねぇ…それってさ…
俺の事
男として意識してくれてるって
思ってもいいってこと?」
彼の問いかけに
今までの事を思い出す。
テヒョンくんが私に
ちょっかいをかけてくるようになってから
私はドキドキしていることが多かった。
これって…
「ん……そうなのかもね…」
私のボソッと言ったそんな言葉も
彼は聞き落とさなかった。
「ねぇ、ヌナ。まだダメ?
俺じゃダメ?」
テヒョンくんは真剣な表情で
問いかけてきた。