その後
テヒョンくんは


とんでもないことを問い掛けてくる。









「ねぇねぇ。ヌナってどんな人が好き?」









あれ、この質問前にもされたような…





そう思いながらも



あまりにもストレート過ぎる質問に
私はタジタジだった。










「え…や~そんなこと言われても…」



「イケメン!とか、可愛い!とか、
ブサイク!とか色々あるじゃん!」



「や、ブサイクて…」



「え…まさかのブサ専!?」



「や…違うって…。
というか
顔をどうこう言える立場じゃないよ
私は…」






そう言って苦笑いすると
テヒョンくんは







「ヌナは可愛いよ」





なんてストレートに言ってくるから
思わず赤面してしまった。










「も、もういいって…そういうの…」
 




恥ずかしくてそう言ったのに

彼の困る所はこういう所だ。





「なんで?だって本当のことだもん」




「いや…まぁ、テヒョンくんに
そう言ってもらえるなんて
光栄です…」  





少し棒読み気味で言ったけど





誰にでも言いそうな
彼の言葉を真に受けるべきではないと
思ってのことだった。









「信じてないのバレバレだよ?
ヌナは、俺の言う事ずっと疑ってて
全然信じてくれない…。
スネちゃうよ…?」




そう言って
子供のような仕草をしてくる彼は
可愛くて
母性をくすぐってくる。






「だって…色々見ちゃうからね、仕事柄。
モテモテなテヒョンくんで良いと思うし。
しょうがないでしょ、私が疑うのも…」
 




私がふふっと笑うと
テヒョンくんは機嫌が悪くなった。






「俺にだって
お世辞と本気の違いくらいあるのに…」







私は彼の小さい呟きを
聞いてないフリをして






「よし、帰ろ。また明日があるし」


と立ち上がった。







「あ!ヌナ!質問に答えてないよ!」




そう指摘されたけど





「ん?なんだっけ?」






そうはぐらかして事務室を出た。










家まで送ると言われたけど

断って

タクシーで帰った。
(1人で帰るならタクシーって
きかなかったから…)