「ヌナ、今日泊まってもいい?」
私は口に入れたゼリーを
思いっきり吹き出しそうになった。
「げほっげほっ」
「ヌナ大丈夫?」
むせた私の背中を彼はさすってくれる。
「テ、テヒョンくん
それはダメでしょ…」
そう言うと
彼は理由が分からないかのような感じで
「なんで?」
と言うから
ホントに困った子だと思った。
「ヌナが具合悪い時に
助ける人誰もいないじゃん…」
彼はそう言うけど
そっか、そうだねとは
とてもじゃないけど言えなかった。
「でもね…テヒョンくん。
私、もう大丈夫だから」
笑顔でそう言うと
彼は
「ん~分かったよ…。
でも、少しでも悪くなったら言ってね」
と言ってくれた。
「ホント、ありがとう」
「ヌナ、無理しないで。
そんなに頑張っちゃ、俺心配…」
彼はそう言いながら
私に近づいてきた。
え っと思っている間に
彼は突然ハグをしてきた。
私はビックリして
心臓が飛び出そうだった。
テヒョンくんは
思っていたよりも体が大きくて
すごく良い匂いがして
私の心臓は忙しく脈を打つ。
「テ、テヒョン…くん…?」
「ヌナ、細…。
俺、心配になるんだけど…」
私はドキドキで具合が悪くなりそうだった。
少しすると彼は私から離れて
「俺のパワーあげたから
きっとすぐ元気になるよ。
ゆっくり休んで、早く元気になってね。
栄養もいっぱいとって。
そしたら俺とまたデートして。
…じゃ、俺帰るから」
デート?
私はそこが引っ掛かったけど
彼の発言は次元が違う所があるから…と
流すことにした。
「ホントにありがとう。
気を付けて帰ってね。
テヒョンくんも体に気を付けて」
玄関まで送ると
彼は私に手を振って
再び変装をして出て行った。
私、やばいな…。
テヒョンくんにドキドキしてる…かも。
いや、あれは誰だってするよ。
ハグなんかされちゃって…。
私、臭かったらどうしよう、とかって…。
あと1日休んで万全にしようと
お風呂に入って、また少し食べて
早めに布団に入った。