「それでさ…
ヒョンの事はどう思ってるの?」
笑ってる私に対して
テヒョンくんは
全然笑っていなかった。
そして
握られている手に
少し力が込められた気がした。
「どうって…?」
「LOVE?」
「LOVE!?そんな!!
申し訳なさすぎる…」
「じゃあLOVEなんだ…」
「違うって…」
「じゃあ俺は?」
テヒョンくんは何の為に
そんなことを聞いているのだろうか。
私は彼のペースについていけなかった。
「なんでテヒョンくんが出てくるの?」
「俺はヌナの事好きだから」
はぁ…またこうやって
何も考えずに発言しているのだろう
私はそう思って、少し呆れた。
「テヒョンくん。
そういうことは
簡単に言わない方が良いと思うよ。
私は単にありがたいなって流せるけど…
テヒョンくんに好意がある人は
勘違いしちゃうから」
テヒョンくんに年上のおばさんとして
そうアドバイスすると
彼は俯いてしまった。
「そっか…
ヌナは俺の事好きじゃないか…」
「え?」
「だってそういうことでしょ?
好意がある人は勘違いするって」
「テヒョンくんは
色んな女の子に言ってるんでしょ?
好きって」
「言ったことないよ。ヌナにしか」
私は彼の意外な発言に目が点になった。
「俺、好きって言ったの初めてだから」
それにしては随分ストレートに
さりげなく言ってきたな…
と思って
そんなはずないと
私は彼の言葉を信用しなかった。
それでも彼は
「俺ヌナの事、LOVEだから。
だから辞めて欲しくないし
海外にも一緒に来て欲しい」
目を見てストレートに
気持ちを伝えて来る感じだった……。
私はさっきから
彼に返す言葉が見つからなくて
ただ黙り込んでしまっていた。