予想通りの緊張感。
いや、予想以上。
それに対してテヒョンくんは
ニーッと笑っている。
私は照れ笑いをしながら
目線を反らした。
「もう、ヌナったら…。
で、どうするんですか?海外」
本題に戻った。
「…決めてない」
私の返事にテヒョンくんは
「行けばいいのに…」
とぼそっと言う。
「簡単に決められない事なんだよね……
私にとっては」
そう言うと
「海外が嫌い?」
彼はそういう事だと思ったらしい。
「そういうことではないんだけど…」
「じゃあ何だろう…」
テヒョンくんは うーん と
手を顔に当てて考えている。
少しすると
「ヌナ、分かんないから教えて」
と私の顔を覗き込んでくる。
私はドキドキしながらも
意を決して正直に彼に話す事にした。
「実は…私…ここを辞めるか悩んでて…」
そう話し始めると
テヒョンくんはすぐに
「え!!」
とすごく大きな声で叫ぶから
私はビクッとした。
「なんでですか~」
テヒョンくんはすがるように
私の手を取ってきて
私はビックリした。
「もしかして!!
いじめですか!?!?」
テヒョンくんにこのまま話をさせると
よく分かんない方向にいく気がした。
「違う違う!
ここの人はみんな良くしてくれて
仕事も好きだよ」
「だけど?」
「だけどね、ほら、私…
正社員じゃないでしょ?」
「え!そうなの?」
そこからだっけ?と思ったけど
そういえばテヒョンくんと
こんな事話す機会なんてなかったなぁって
その時に気づいた。