「ヌナって
近くで見ると余計可愛く見えるね」
テヒョンくんは
至近距離でニカーっと笑ってくる。
この男はこうやって
世の女の子を虜にしているのか…
私は妙に感心してしまった。
「何言ってんの~
気のせい、気のせい。
近くからも遠くからも
ブスはブスだよ~。
おばさんをからかっちゃダーメ」
そう自虐して笑っていると
「からかってないし。
ヌナは可愛いよ」
と返してくるから
なんとなく調子が狂った。
でも
彼の万人を口説く技に引っ掛かる程
私は単純じゃない と
「はいはい。
お世辞はいいから
汗ちゃんと拭いてください」
と彼の肩を押して距離を離した。
そんな私とテヒョンくんのやりとりを見て
近くにいたジミンくんは笑っている。
「ジミンくん、何笑ってんの?」
私がむくれて言うと
「あ…いや…別に…」
と言って
テヒョンくんをチラチラ見ていた。
すると
ふいに後ろから
ユンギくんが声を掛けてきた。
「○○さん
ゴミはどこに捨てるといいですか?」
私はユンギくんを
ゴミ捨て場まで案内する為に
テヒョンくんの元を離れた。