「ジミンくんはARMYに
とっても人気じゃない!
そんなにモテてどうすんの?」
私が笑ってそう言うと
「やっぱモテたいじゃないですか~」
少し駄々をこねるように言った。
私がそんなジミンくんに
くすくす笑っていると
噂のモテ男テヒョンくんが
楽屋に入ってきた。
「あ、テヒョナ…
連絡先でもあげてきたの?」
ジミンくんが少し不貞腐れたような感じで
テヒョンくんに声を掛けている。
「あげないよ~」
「あげてくればよかったじゃん!」
「ジミナだってあげないでしょ?」
「たぶんね」
ジミンくんの話によると
テヒョンくんが
練習生の女の子たちに捕まっている間
ジミンくんが一人で楽屋に逃げてきた
ということらしい。
「いいね、テヒョンくんはモテモテで。
あらゆる世代を虜にしてるもんね~」
私は
少し背の高いジミンくんの頭を撫でながら
テヒョンくんにそう言った。
「ん~~ヌナァ~!」
泣くように唸って
私に抱き付こうとするジミンくん。
それを阻止したのはテヒョンくんだった。
「おいジミナ。それはダメ」
「え…?あ、ごめん…」
ジミンくんはショボンとした。
別に気にしないのになぁ…
そう思って
「別にいいのに」
と呟くと
「女性に
安易にそういうことをしてはいけない」
とテヒョンくんが
人差し指を立ててそう言うから
私は可笑しくなって
思わず吹き出した。
「モテる男は言うこと違うね~」
「ね~」
ジミンくんと仲良くそう言っていると
テヒョンくんが
「ジミナ、距離近い」
と
ジミンくんを私から遠ざけた。
なんかテヒョンくん
ちょっと今日変だな~と思っていると
突然マネージャーさんから呼び出される。
「はーい!行きまーす!
ごめん行くね!」
そう二人に声を掛けて
私はマネージャーさんの元へ走り去った。