私は彼の忠告に疑問を感じながら
始まった映像をじっと見つめた。
動画が始まると
ユンギは私を抱き締める力を強めた。
「ねぇちょっと、見づらいんだけど…」
私は少し窮屈でそう言ってみたけど
彼は全く力を緩めてくれなかった。
PVは前半からストーリー仕立てになっていて
ジョングクさんから始まり
それぞれのメンバーの恋模様が描かれていた。
もちろんユンギも。
この間言ってたのって、この話…?
ユンギファンだって人との絡みって
この事だったんだ…と私は理解する。
でも内容は結構すごくて…
相手役の女性は
ユンギと触れ合うシーンがとても多かった。
ユンギがひそかに隠し持っていた腹筋も
さらけ出してしまっている。
あーあ…かっこいいユンギが全開…
もちろん悔しかったけど
でもそれ以上に
こうやって彼が傍に居てくれる事を
すごく贅沢に思った。
色々考えて映像を見ていたけど…
ふと我に返ると
ユンギは私の顔を覗き込んでいた。
「ん?」
私はユンギと目を合わせた。
「機嫌悪くなった?」
彼は少し心配した表情だった。
「いや…別に?」
「…妬いてねぇの?」
「…妬いてるよ」
「そうは見えねぇけど…」
彼は少し不満そうにそう言った。
「だって仕方ないじゃん。
仕事だもん。
私がユンギを
一人占めできるわけじゃないし…。
ARMYとしては最高のユンギでしょ。
良い仕事してるから、普通に尊敬した」
彼がみんなのものである事は
付き合う時にも理解してたし
本当に思ってる事だったから
そう伝えただけだったんだけど…
「お前って本当に…
理解あるヤツだよな…。
俺よりずっと大人で…
俺もお前を尊敬してる」
彼は私の目を見て
そう言ってくれたから
本当にそう思ってくれてるんだなって
私は嬉しかった。