僕は彼女の明らかな動揺に
思わずふふっと笑いながら
彼女を追って僕も部屋を出た。
寮を出る前に
メンバーに挨拶に行ったようで
彼女はメンバーたちとリビングに居た。
メンバーに囲まれている彼女を見て
僕は思わず
彼女の腕を自分の方へ引っ張る。
''ジョンゴ~、もう付き合ってんの?''
僕の嫉妬じみた行動に
テヒョニヒョンはむくれた。
''まだです''
''じゃあ独占しなくてもいいじゃん''
そう言う彼に、僕は
''予約してるんで''
と言った。
ナムヒョンはハッキリ答える僕に
''ふ~~~''
とはやした。
それに対抗して
テヒョニヒョンは手を挙げて
''じゃあ僕も!''
なんて言う。
えっ てちょっと焦ったけど
それを見て
ナムヒョンは無言で
テヒョニヒョンを羽交い締めにしたから
後は任せた。
テヒョニヒョンが
''う~~~''
と訴えているのを横目に
僕は彼女を家まで送る為に
マネージャーに電話をする。
程なくしてマネージャーが
車で来てくれて
彼女を乗せて、僕もついでに乗る。
車の中で彼女は僕に頭を下げてきた。
「何から何まですみません…」
「ナニカラ…ナニ…マデ?」
「あ…日本語…ごめんなさい…」
別に彼女が謝るべきことではないのに
彼女は難しい言葉を使った事を
何故か謝った。
「謝んないでください。
僕が知らないだけです。
ヌナともっと
コミュニケーションをとりたいので
もっと日本語を覚えたいって思ってます。
だから…教えてください」
もし彼女を自分のものにできたのなら
当然日本語を話す機会は
今より格段に増える。
仕事でも日本での活動は多くなるだろうし
プラスの事が沢山ある。
だからこれを機に
もっと日本語を覚えようと意気込んでいた。
「どういう意味ですか?さっきの言葉は」
僕は彼女に問いかける。