「え?」
彼女は僕の言葉を聞き返した。
「可愛いです。
こんなに可愛いのに
なんで彼氏の人と…
上手くいかなかったんだろう…」
僕は頭で考えている事が
何の躊躇もなく
口から流れ出ていた。
彼女は
「か、か、可愛いだなんて…
と、とととんでもないです…」
手を顔の前で左右に振った。
僕はその仕草が面白くて
笑いながら
「とんでもないって
違うってことですよね?
ヌナのおかげで覚えましたよ
とんでもない」笑
彼女はそれを聞いて
嬉しそうに笑った。
「何で上手くいかなかったですか?
彼氏の人……と」
そう聞くと
彼女は意外としっかりとした感じで
僕の問いに答え始めた。
「私の、この……
ハッキリしない所だと思います。
…原因は。
思った事を口にするのが怖くて…」
彼女は自分の手に
ぎゅっと力を入れた。
「彼とは合わなかっただけですよ。
きっと」
僕は本当にそう思って
彼女を励ました。
事実
僕はそんな感じの彼女を好きなのだから。
「そう…ですかね…。
彼は…
私の気持ちが分かんなくて
そのうち面倒になって……
他の人の所に行ってしまいました…」
「そうだったんですか…」
「彼との事以外にも
色々あったんですけど
なんかもうこんな私嫌で…
仕事も辞めて…
気づいたらここに来てました…。