「実は自分でも…………。
ジョングクさんを見たいって
思ってたら……
気づいたらここにいて………
でも、お会いできるなんて
全然思ってなかったんです!
ホントにビックリしました…
私……………何やってんだろ……」
僕は彼女の驚きの話に
質問攻めをしそうになったけれど
ふと我に返って
周りの状況を見た。
ここにいては
いつカメラに撮られるか分からない。
「すみません……
ちょっとあっちに…いいですか?」
僕は彼女を
セキュリティのかかっているエリアに
誘導した。
''ジョンゴギ~!どうしたの?''
ジミニヒョンが
後戻りする僕に話掛けてくる。
僕はジミニヒョンに
一言断りを入れて
彼女の元に戻った。
「すみません、こっちに…」
僕は彼女と一緒にセキュリティを通ると
近くのミーティングルームに入った。
彼女は動揺している。
「あ、あの…そんな……
私………すぐ帰るつもりで…」
「せっかく僕に
会いに来てくれたんですから
少し話してもいいじゃないですか~」
僕は彼女を引き留めた。
「あの…でも……
私ここにいて…大丈夫ですか?
関係者でもないのに…」
「僕の関係者だよ。大丈夫。
メンバーには知り合いが来たから
少し話して帰るって言いましたし」
とりあえずはホッとしたのか
彼女は肩を撫で下ろした。
「あの………すみません…
突然来たりして…」
彼女は申し訳なさそうに軽く頭を下げた。
「僕は会えて嬉しいですよ」
僕の笑顔に応えるように
彼女も目を反らしながらも微笑んだ。
「でも…なんか少し……疲れてますか?」
彼女の表情はなんとなく浮かない。
やつれているようにも見える。
「え…気のせいですよ…
年、取っちゃったんですかね…
ジョングクさんよりおばさんですからね…」
彼女はハハハと弱々しく笑った。
「そういうことじゃなくて……
本当に疲れてるように見えます……
大丈夫ですか?」
「……………」
彼女は黙りこくってしまった。
僕はとりあえず座るように促すと
「ここで待っててください」
そう言って部屋を出た。