「おい、行くぞ」
玄関からユンギの声が聞こえて
慌てて玄関に向かった。
ユンギは随分と簡素な格好をしている。
「もうちょっと…
変装した方がいいんじゃない?」
彼はあまりにも
''ありのまま''で居すぎて
私は焦った。
「いいんだよ、これで。
今はシュガじゃない。
この方が目立たない」
私はハッとした。
彼はシュガとユンギを分けてるんだ…
私の前でのユンギと
ステージでのキラキラしたシュガ。
同じ人なんだけど
違うんだよ。
そう言われた気がして
少しだけ
心が穏やかになるのを感じた。
久々に彼とランチをして
久しぶりに恋人らしい事できたなぁと
満足する自分がいて
さっきまで深刻に考えてた自分が
どこかへ行ってしまったようだった。
レストランを後にすると
すぐに事務所へ向かう。
「なんか…緊張するんだけど…。
ホントに私が行って大丈夫なの…?」
私は緊張から
なんとなく落ち着かなくて
そわそわし始めた。
「俺がいるから大丈夫」
彼はそれだけ言うと
迎えに来てくれたマネージャーの車で
無言で私の隣に座っていた。
前室の前に着くと
中から騒がしい声が聞こえてくる。
私は思わず
唾を飲み込んだ。