フォークリフトのバッテリーに中古再生バッテリーがあるのを知ってますか?

中古再生?

いったい何?

簡単に言うと、中古を再生したバッテリーということです。

中古のバッテリー?
つまり使われなくなったバッテリーを使えるようにメンテナンスを施したバッテリーということですわ。

中古バッテリーなんて使えるようになるんですか?

なります!

ではここからフォークリフトの中古バッテリーが性能を回復して、立派に使えるバッテリーとして生まれ変わるストーリーをお話しします。

中古再生バッテリーなんて言葉の響き、なんかかっこいいでしょ。
この「再生」という言葉にカッコよさがあるんですわ。
いったん駄目になったものをもう一度見直して、鍛えなおして活躍の場を与えるってことや。
ではフォークリフトバッテリーの中古再生とは、どんなバッテリーなのか?

フォークリフトバッテリーは一般的に2Vの単セルバッテリーが24本連結されて、大きなパワーを出しています。

その24本の単セルバッテリーのうち、1本でも不良化したらバッテリー全体に影響を与えてしまうのです。
サッカーで言えば、11人で戦うところ、ペナルティを取られ、レッドカードで1人抜けるようなものです。
まったく戦力ダウンになりますよね。
フォークリフトバッテリーではそれがパワーダウンとなって顕著に表れます。
それが、

「充電が早く切れるようになった」
「パワーが持続しない」

といった現象です。

ディーラーを呼んで点検してもらったら、
「もうバッテリーは寿命です」
といわてます。
そして高価な新品バッテリーと交換するのです。

ここがポイントです。

駄目になっているバッテリーは、24本連結されている単セルバッテリー全てではないということです。
だめになっているフォークリフトバッテリーの中の単セルバッテリーは、1本か、2本なのです。
つまりその他の22〜23本の単セルバッテリーは、ぜんぜん駄目になっていないのです。
むしろ正常に稼働しているのです。
それを知らずに廃棄してしまっているのです。
その正常に稼働している単セルバッテリーを集めてフォークリフトバッテリーを作ったのが、中古再生バッテリーなのです。
だからぜんぜん大丈夫なわけです。

でもなんてもったいないことをしているのか?

動くものを捨てるなんて。

それは売上第一主義の営業のやり方がまねいた悪癖なのです。

ではここから中古再生バッテリーの作り方を解説していきます。

①まず良質のバッテリーを集めてくることからはじめます。
そして鉛溶接で連結させて1台のフォークリフトバッテリーを作り上げるのです。

これで中古再生バッテリーの完成や!
と思うのは、まだ早いです。
これはただフォークリフトバッテリーとしての形を整えただけだからです。

次に
②フォークリフトバッテリーとして形式が整えられたものをさらにメンテナンスをかけて、その精度を高めます。
なぜならば、もともと何年も使用したバッテリーですから新品ではないわけです。
つまり使用した中古バッテリーなわけです。
だからメカ的にもいろいろと錆びついているところがあるわけなんです。
それが電極板なのです。
この電極板をリフレッシュする必要があるわけなんです。
行なうことを簡単に言えば、充電と放電を行って電極板を活性化させるのです。

フォークリフトのバッテリーは、案外乱暴に使われてきています。
充電が切れてしまうギリギリまで稼働させたり、
使った後、すぐに充電をかけずに放置されたり。
つまり過放電と放置、さらには過充電といった具合です。
フォークリフトのバッテリーである鉛蓄電池は、それでも丈夫で、なかなか悲鳴をあげませんが、限度というものがあります。
そんな過酷な使われ方をしてきているのだからメンテナンスを施してやらなければなりません。
その方法が、適切な充電と放電なのです。

メンテナンスとしての適切な充電とは、どういったものなのか?

それは微充電です。
わずかな電流で、時間と日にちをかけて充電してやるのです。
そうすることで、酷使されていた電極板が電子を受けとめやすくなるのです。
つまり蓄電能力が高まるということです。

今度は逆に放電してやるのです。

放電は蓄電した電気がなくなるまでやってはいけません。
電極板に電気の余力が残るところまでで、ストップさせることです。
つまり過放電は電極板を傷めることにねるからです。

このような微充電と放電をしてやると、電極板は活性化します。
この作業を繰り返すことで、電極板はよみがえり、放電力は高まっていくのです。
つまり中古再生とは、このような作業で行われるのです。

こうして出来上がった中古再生バッテリーの注意点を説明します。

中古再生バッテリーには、仕上がった放電力のレベルがあります。
高いもの、低いものということです。
新品バッテリーの放電力を100%として中古再生バッテリーを比較しますと、80〜100%ということです。
だからフォークリフトを厳しい環境や、長時間の稼働をさせてしまうと中古再生バッテリーでは、対応しきれなくなってしまうということです。

やっぱり中古再生バッテリーは、駄目なんだ。

中古再生バッテリーは、長時間の連続稼働や、環境温度が極端に低い場所での稼働には、不向きです。
しかし最適な条件の環境、使い方であれぱ、中古再生バッテリーは、活きてくるのです。

それは、長時間の連続稼働を行わない職場であれば最適のバッテリーといえるのではないでしょうか。
しかも価格が新品バッテリーに比べて4分の1です。
もっとお安く提供できるものもあります。
なぜならば、中古再生バッテリーは廃棄の中から生まれたバッテリーだからです。
この圧倒的に安いのが、中古再生バッテリーの最大限の魅力です。
実際、倉庫業以外の職場ではフォークリフトは長時間連続稼働させていません。
活躍できる職場は、多くあるのではないでしょうか。