8月といえば祖父の命日
とにかく真面目だ寡黙な人だった
若い頃に印刷所で働いていて
裁断機で指を落としてしまった
だから左手は親指と人差し指だけ
それでも器用にリンゴを剥いたり
新聞屋を営んでいたので仕事も
きちんとこなす。
私が初めて社会人になって
銀座のデザイン会社に就職したと
伝えたら初めて笑顔で話し始めた
「銀座の柳はまだ並んでいるか?」
そこっ
今思えば見事なアスペルガー
自閉スペクトラムな人だった
祖母はそんな祖父を支えながら
共に新聞屋で働く息子2人の
面倒を見ながら
新聞屋を切り盛りしていた。
祖父が亡くなった後
祖母は亡くなるまで何度も何度も
「お見合い結婚で失敗だった」
と私に言い続けていた。
今、お墓には
祖父母、叔父2人、母が入っている
7月の新盆の期間にお参りに行った
毎年、旧盆8月に墓参りに行くと父に
何故かゴニョゴニョ文句を言われ
あれ?遅かったのか?と思いま
今年は新盆の期間に行ったのに
「来月のお盆には来るのか?」
と宣う
とにかく、墓参りにマメに行けと
いうことらしいが…。
それで母を大切にしているつもり
になられているのが腹立たしい。
生きている時にもっと大切に
してやって欲しかった。
私は母の父に対する文句を
ずっと聞かされて育ったのだ。
所詮、我が一族は皆
ひとつの事しかできない
不器用な人たちなのだった。