しれっと、年末年始を日本で過ごしてきた。
日本への一時帰国は何よりもの楽しみ。家族、友人に会い、しゃべり、食べ、買い物しまくる。最高じゃないか。今回は、友人には予告なしで帰国した。皆忙しいから。お土産を送ろうと連絡したら、「会いたい」「会えるよ」と言ってくれた人たちがいた。うれしかった。会えなかった友人たちも、うれしい言葉やプレゼントをくれた。本当にうれしかった。
そんな一時帰国中の悩みの一つが、「どこにいるかわからなくなる問題」。基本的に私の実家にお世話になるのだが、実の親子とはいえ気は使うし、疲れることもある。最早、実家は私の居場所ではなくなっている。そのため、途中で旅行に出たり、ホテルに滞在するのだが、そんな風に過ごしていると嫌な現象が起きてくる。自分がどこにいるのかわからなくなってくるのだ。朝目が覚めて、天井を見上げる。数秒間「この天井はどこだったかな」と考えなくてはいけなくなってくる。これは一時帰国を終え自宅に帰ってからもしばらく続く。
思い起こしてみれば、この現象は結婚してしばらくしてから始まった。結婚後しばらくは半年毎に引っ越し、その間に日本に一時帰国する生活をしていた。折角だからと、旅行にもたくさん出かけた。見上げる天井の数が多くなり、本当に混乱したものだった。
一度、勇気を出して友人に話してみたら、驚かれた。彼女も私と同じような生活をしていたが、その様な経験はないと言っていた。彼女が天才なのか、それとも私が…。パートナー(以後、パ)にも話してみたが、やはりその様なことはないという。やっぱり私が…。
住まいを転々としていると、ずっと旅人のような気分だ。いつも観光気分が抜けない。周りからも旅人扱い。居場所がないような寂しさがあった。家を買い、お気に入りの家具を買い集め、ずっと同じ場所で生活している人たちがうらやましくて仕方なかった。
今いる「この国」に来る前は、同じ家に5年以上住んでいた。それまで最長でも1年間しか同じところに住んだことがなかった私たちには大記録だ。旅人ではなく、住人として生活していた。その途中でこの現象はなくなっていた。たまに出かける旅行中にホテルや旅館の天井を見上げて、「あんなこともあった」と懐かしく思い出すようになっていたのだが、行き来する生活に戻って、また始まってしまった。
しかし、この現象がまた始まるのではないかと、大袈裟だが、心の準備はできていた。「楽しんでやるぞ」ぐらいの心意気。そう思えたのには理由があった。私の居場所はもう決まっていたからだ。私の居場所はパがいるところだと思うようになっていた。こう書くと、なんだかいやにラブラブなカップルぶりをアピールしている痛い人だが…。しかし、実際に私の居場所、帰る場所はパと生活している場なのだ。どの国か、どの町かは関係ない。だからこそ、この旅人生活にもついて来ているのだ。私には「この国」には特に用はないのに。