所謂駐妻ってやつをやっていると、人の「隣の芝は青い」感情に出会うことがしばしばある。もちろん、日本にいてもあるんだけれど、その頻度がぐっと上がる気がする。何しろ狭い世界だからね。
「この国」でも、「隣の芝が青い」ったらありゃしない。
まず出会う青い芝は、住む地域だろうか。「この国」では多くの駐妻が住む地域が2か所ある。私が住むA地区は、ダウンタウンっていうのかな。オフィス街に隣接していて、「この国」といえばここでしょって感じの地区。多くの日本人が住んでいるが、駐在員家族に限らず、単身者も多く、色々な日本人がいる。もう一方のB地区は、多くの日本人駐在員家族が住んでいる。マンションが乱立している地域だが、そのほとんどが「日本人マンション」といってもよいような状態。近くのスーパーに行っても日本人だらけ。東京のタワマン街のようだ。
私はさらに狭い世界になってしまうB地区は無理なので、A地区に住めてラッキーだと思っている。というのも、以前、「日本人マンション」に住んでいたことがあって…。ワンフロアに4軒だけのところだったが、大抵そのうち2、3軒が日本人駐在員家族。いや、日本だったら、ほとんどが日本人家族なんですけどね。それとは違うんですよ。私は興味ないですけれど、なぜか他の住人の勤務先を全部把握している人とかね。車の車種に興味のある人とかね。「○○(パの勤務先)の方ですよね」「この間△△でランチしてたわよね」とか急に話しかけられちゃって。「人に興味あり過ぎじゃない?」と私は思うんだけれど、それが会話のきっかけになり、人間関係が広がっていく人たちがいるのでしょう。(ちなみに、私は○○(パの勤務先)の人ではない。でも、しょっちゅうこう聞かれる。)
でもね、B地区が「最高!」な人もたくさんいるんですよね。日本人マンションが何棟もあるから、中心にあるスーパーに行けば日本食が詰まった棚が並んでいるし、日本のパン屋さんはあるし、公文とか塾もある。日本人が経営している美容院だって何軒もある。家から出ても聞こえてくるのは日本語ばかり。でも、ちょっと海外気分も味わえて。いいとこ取りなんですよ。もちろん、私には苦手な環境であるだけで、私はB地区に住むことを否定する気持ちはない。
AとBの駐妻が入り混じって集まると、絶対に「A地区に一度住んでみたいですぅ~」「やっぱりB地区はいいな、羨ましいですぅ」ってなるのよね。お世辞の人もいるんだけれど、本気で思っている人も多くて、自分が住んでいる地区をディスる人も結構いるのよね。Bに住む自信のない私でも、「Bだったら日本にいるのと同じ生活できるよね」とか「絶対にBの方が楽」とか思うこともあるんです。特に、ほら、「買い物めんどくさーい」とか「今日はふわふわなパンが食べたいんだよ~」とかなったときね。
日本にいた時だって、もちろん、隣の芝は青かった。でも、なんだか違うんです。なんていうか、「折角」っていう気持ちが強いんですよ。「折角海外に住んでるんだから」「折角日本みたいに住めるところがあるんだから」てね。自分がちゃんとこの環境を満喫できているのか考えちゃうんです。周りと比べて損した気分になってみたりね。駐妻は基本、期間限定だからなんでしょうね。旅行中も、こんな気持ちになりますよね。わたしだってそう。「ここには後1年しかいられないのに、これでいいのか」考えたりします。そんなこんなで、「折角」精神が隣の芝が青く見せちゃうんですよね。