高野山真言宗阿闍梨のたまごになりました☆

伝法灌頂に入壇を許されるまでは、

グイグイグイギュイーンと

モーレツな、見えない後押しに流され

流されるがままに定位置に導かれた。

　　スポン！

思い返せばそのような感じでした。

師資相承

それは真言密教における

絶対的なルールです。

お大師さんから、この約１２００年

有縁の師僧から代々お次第と口伝により

脈々と法が伝えられてきました。

この世界での師僧は、実に巡り合わせ。

お大師さんに繋いで貰わないと

最適な師に出会えないと思います。

以前、天台宗のお坊さんとの話で

『僕は大学を出てからずっと〇〇

（某大手企業）に勤めてたけど、

実は真言宗のお坊さんになりたいと

若い時から思い続けてた。

でもご縁がもらえなくて、ある年に

浄土真宗のお坊さんになれた。

その宗では法がなくて、ある仏さんに

お願いし続けてたら天台宗とご縁が

頂けて天台宗のお坊さんになった。

余命があるから（お爺ちゃんです）

今世でしっかり修行つんで、来世は

真言密教僧になりたいんですよ。』

という目が忘れられません。

その方いわく、師僧は

【 親より親 】

どこから伝授を頂けるかは、大変に

重要であるのにもかかわらず

仏縁は自分でコントロール不可と。

実に不思議なもので正しく伝授を

受けていないまま修してみたとしても、

効果が出ない（術がかからない）のです。

御仏がお力を貸してくれないのでしょう。

密教において最も大切なことは、

法を確立されたお大師さんからの

正しい法を伝えること。

以前、阿闍梨でないものが『理趣経』を

唱えてはならないとお大師さんが残された

お話をしたことがありましたが理趣経も

書かれてあるけどこの部分は読まない、

書いてるのと違うように発音する、

ほかにも音程のルールなどあり、

それに限らず例えば四度加行のお次第も

（得度した行者が一人前のお坊さんに

　なるための絶対修行法が書かれてる）

法が漏れないため、当然ながら完全な

教科書にはなっているはずもありません。

次第には書いてないけど、ここでこの

観想を唱える（もしくは心で読む）や、

○○○○○と真言を唱える、

☆☆☆の印を組む、というのが入ったり

この書いてるのは飛ばしてこうする等

脈々と伝えられてきた絶対秘密の口伝が

師僧からプラスされるのです。

あと、まったく書かれてないのに

その部分で『気付いた者』のみ解る

ポイントが作られていたり・・・

伝授を受けないで自分勝手にやるだけでは

正しく法を修する事ができないように、

ちゃんとなってますね。

もちろん、「自分がこう感じた！」とか

「どこどこで誰それに聞いたから！」や

ましてや、どこかで次第など入手して

勝手にやってみるなど…あぁ恐ろしい…

ご法度であり超法（おっぽう）であり

密教における一番の大罪なんです

とても怖いことなんです、、、よ。。

法を超えるような事を犯せば、

仏さまは平気で人間の大切なものを

取り去られます。

大事な子供…火事…大怪我…失業…

得度すればここまで許される、

教会教師とればここまでok、

阿闍梨灌頂ですべて教えられる等

決して決して法を超えてはなりません。

真言宗ってすごいなーと素直に思うのは

正しいこの法によって仏さまに許され、

キッチリ術がかかり、お力を貸して下さり

壇の中に、諸々の仏様方を実際に呼べる

そしてお願いを聞いて下さる所ですよ

私の師僧

法要では、信者さん達にちょうど良い

お時間設定で拝んだりお護摩したり。

しかし皆さんが帰られた後にも続き、

大量の護摩木の一人一人を思い浮かべて

お名前をしっかりと仏さまに届けて、

お願い叶えてやってください…

病気を治してやってください…と

長い長い時間をかけて拝む先生。

見返りなんて全く一切考えてもない。

こんな本当のお坊さんになりたい。

仕事を持ちながら、家庭を持ちながら、

なかなか出来る事ではありませんでした。

そして人間として生きている私には、

普通にいろんな煩悩が消えては出て

パソコンやスマホを持ち、生活は便利で、

多くの人と会い、おいしいものにあふれ、

楽しいことに出会い、大変な目にも会い…

人間らしく生きてしまっているのですが、

悩んだとき・岐路に立たされた時・

何かを考え、また気づきたいとき。

一番いいなと思っている思考があります。

それは、

お大師さんやったら

どうするやろうです。

間違いが起こりません

真言宗では伝法灌頂まで受けないと

お坊さん（阿闍梨）と呼べませんが、

ようやくスタートラインに立たせて頂いた

御縁に感謝して、今後前へ前へ進んで

いきたいと思っています。

神通力を許し与えられた阿闍梨は、

単なる『道を繋ぐ役目する人』

言うなれば『通訳する人』みたいな

お仕事だと思っています。

実際に働かれる仏さまが凄い

のでありますから

お坊さんになったからといって何か

勘違いしたらあかんと思っています。

偉なった訳でもなんでもない。

私個人のパーソナリティは何一つ

変わりません。

（ちょっとは変わりなさいよ的な）

仏さまの凄さを知っていくのです。

南無大師遍照金剛

お大師さんありがとうございます

ご先祖さんありがとうございます

有縁の神仏さんや出会う人たち

本当にいつもありがとうございます

お友達の皆さんが、健康で穏やかで

日々過ごせるように祈ってるよ