ユヌス氏は創造的破壊者である。
この一言に尽きる。彼の自伝を読んで、多々受け入れられない部分はあるが、それは単に嫌悪感から来るものではなく、きっと既成概念を超越しているものからくるのであろう。
ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家/ムハマド ユヌス
¥2,100
Amazon.co.jp
人々は愚かで怠惰だったから貧しくなったのではなく、構造的な欠陥が原因であった。
ユヌス氏はこれまで当たり前とされてきたものをすべて覆し、対貧困の革命を起こした。
貧困だけではなく、女性の社会的進出などのマイクロクレジットに関わる人々の社会的な成功をも引き起こした。
彼を通して感じるのは本当に貧困はこの世からなくせるかもしれないという熱き期待。
なぜ貧困は存在するのだろうか。
ユヌス氏は次のように言う。
BOPは労働の見返りで得たお金を持ち続けることができないからだ。
→従来、クレジットを得られないBOPは、資本をコントロールできずに、毎日わずか数セントのお金をめぐって生と死の問題に直面してしまう。もし自由に使える資本があれば、彼らは必要なものに投資し、貧困から脱出する機会を得られる。
銀行は、BOPには担保もなければ、小額でビジネスにはならず、読み書きもできないので、門前払いをしているからだ。
→彼らは関わってはいけない人たちだと決めつけて、不安定で未知数だが、将来性のある市場に対してリスクをとらないでいる。(しかしグラミン銀行での彼らの返済率は100%近くであり、多くの顧客を獲得したことで、小額でも確実な収益を見込めるようになった。古い体質である銀行は、今でもグラミンに対して懐疑的な人がいまだに多いが…。)
どの国の既得権益者は、お金をもつ国の資金援助を食い物(汚職とか…)にし、BOPに資金が届く前に、巨大な官僚システムを通してほとんど浪費してしまうからだ。
→そもそも資金援助は、資金を受け取る側は国家を自分たちの手で導く意欲を削ぐものとなり、また資金を提供する国は、実際の問題を放置し、良い行いをしたと自己満足しているだけのものとなる。
世界の多くの政府関係者、NGO、国際開発コンサルタントがBOPは技術がなく、何をすべきか知らないと決め付け、BOPが心から求めているわけではない非生産的な訓練プログラムを行うからだ。
→訓練プログラムを否定しているわけではなく、プログラムありきではなく、資本ありきだという。個々で既に獲得しているノウハウ・才能で自営することが最も重要。そこから必要な訓練をすればよいという考え。
多くの経済学者がBOPを救うのはただ1種類の雇用-賃金雇用のみと信じているからだ。(ここから訓練が必要だという潮流が出来てしまう)。
→事実は、BOPのほとんどが自営で生計を立ており、自営から生まれる自立の可能性を見落としている。実際にユヌス氏自身が経済学者であるが、理論ばかりを追うことに嫌気が差し、プラグマティックに現地現物主義を貫いてきた。
以上などが貧困の原因あるが、貧困という壁をぶち壊したのがマイクロクレジットである。これはご存知の方も多いかと思うので、ここからはウィキペディア先生に任せよう。また日本でマイクロクレジットの考えを広めているリザルツ特別講師にも伺ってみよう。
日本でのマイクロファイナンスの可能性を示す本があるそうな。絶対に読んだろぉ!!
愛読させていただいているアルファブロガーの小飼弾氏の404 Blog Not Foundから
マイクロも積もればマクロを改善する - 書評 - マイクロファイナンス
おまけ
ユヌス氏は、小さいころ、第二次世界大戦を経験し、家は日本軍に爆撃されて、被害を受けた。
ユヌス氏は、若いころ、びっくりするほど、おもろーな経験をしている。クリントン大統領が大統領になる前に知りあってるとかーww
だらだら書いてしまったが、最後に思うことを少々述べると、ネクストマーケットでも述べたように、貧困層に対する僕たちのステレオタイプはいかに間違っているか、自分勝手か、またそれを押し付けているかがよくわかる。できない理由を探し、何の可能性もない救いようのない人々だと決め付けていた。
その概念を覆したマイクロクレジットは画期的な触媒である。
最近、ほとんどの問題は、個人が原因ではなく、システム・構造的なものが原因やと思う。
ユヌスは試行錯誤の末、この触媒によって、今まで起こりえなかった化学反応を起こし、多くの絶対貧困の人々を貧困となるラインまで生活水準をあげた。マイクロクレジットの限界・弱点、その裏で行われている真実などなど、表層化していない問題があるんやろうけど、事実として多くの人々の生活を変えたユヌス氏に感動。来年からは東京に行くし、リザルツさんなど多くのおもろーな活動をしているとこに通いたい。
この一言に尽きる。彼の自伝を読んで、多々受け入れられない部分はあるが、それは単に嫌悪感から来るものではなく、きっと既成概念を超越しているものからくるのであろう。
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人々は愚かで怠惰だったから貧しくなったのではなく、構造的な欠陥が原因であった。
ユヌス氏はこれまで当たり前とされてきたものをすべて覆し、対貧困の革命を起こした。
貧困だけではなく、女性の社会的進出などのマイクロクレジットに関わる人々の社会的な成功をも引き起こした。
彼を通して感じるのは本当に貧困はこの世からなくせるかもしれないという熱き期待。
なぜ貧困は存在するのだろうか。
ユヌス氏は次のように言う。
BOPは労働の見返りで得たお金を持ち続けることができないからだ。
→従来、クレジットを得られないBOPは、資本をコントロールできずに、毎日わずか数セントのお金をめぐって生と死の問題に直面してしまう。もし自由に使える資本があれば、彼らは必要なものに投資し、貧困から脱出する機会を得られる。
銀行は、BOPには担保もなければ、小額でビジネスにはならず、読み書きもできないので、門前払いをしているからだ。
→彼らは関わってはいけない人たちだと決めつけて、不安定で未知数だが、将来性のある市場に対してリスクをとらないでいる。(しかしグラミン銀行での彼らの返済率は100%近くであり、多くの顧客を獲得したことで、小額でも確実な収益を見込めるようになった。古い体質である銀行は、今でもグラミンに対して懐疑的な人がいまだに多いが…。)
どの国の既得権益者は、お金をもつ国の資金援助を食い物(汚職とか…)にし、BOPに資金が届く前に、巨大な官僚システムを通してほとんど浪費してしまうからだ。
→そもそも資金援助は、資金を受け取る側は国家を自分たちの手で導く意欲を削ぐものとなり、また資金を提供する国は、実際の問題を放置し、良い行いをしたと自己満足しているだけのものとなる。
世界の多くの政府関係者、NGO、国際開発コンサルタントがBOPは技術がなく、何をすべきか知らないと決め付け、BOPが心から求めているわけではない非生産的な訓練プログラムを行うからだ。
→訓練プログラムを否定しているわけではなく、プログラムありきではなく、資本ありきだという。個々で既に獲得しているノウハウ・才能で自営することが最も重要。そこから必要な訓練をすればよいという考え。
多くの経済学者がBOPを救うのはただ1種類の雇用-賃金雇用のみと信じているからだ。(ここから訓練が必要だという潮流が出来てしまう)。
→事実は、BOPのほとんどが自営で生計を立ており、自営から生まれる自立の可能性を見落としている。実際にユヌス氏自身が経済学者であるが、理論ばかりを追うことに嫌気が差し、プラグマティックに現地現物主義を貫いてきた。
以上などが貧困の原因あるが、貧困という壁をぶち壊したのがマイクロクレジットである。これはご存知の方も多いかと思うので、ここからはウィキペディア先生に任せよう。また日本でマイクロクレジットの考えを広めているリザルツ特別講師にも伺ってみよう。
日本でのマイクロファイナンスの可能性を示す本があるそうな。絶対に読んだろぉ!!
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おまけ
ユヌス氏は、小さいころ、第二次世界大戦を経験し、家は日本軍に爆撃されて、被害を受けた。
ユヌス氏は、若いころ、びっくりするほど、おもろーな経験をしている。クリントン大統領が大統領になる前に知りあってるとかーww
だらだら書いてしまったが、最後に思うことを少々述べると、ネクストマーケットでも述べたように、貧困層に対する僕たちのステレオタイプはいかに間違っているか、自分勝手か、またそれを押し付けているかがよくわかる。できない理由を探し、何の可能性もない救いようのない人々だと決め付けていた。
その概念を覆したマイクロクレジットは画期的な触媒である。
最近、ほとんどの問題は、個人が原因ではなく、システム・構造的なものが原因やと思う。
ユヌスは試行錯誤の末、この触媒によって、今まで起こりえなかった化学反応を起こし、多くの絶対貧困の人々を貧困となるラインまで生活水準をあげた。マイクロクレジットの限界・弱点、その裏で行われている真実などなど、表層化していない問題があるんやろうけど、事実として多くの人々の生活を変えたユヌス氏に感動。来年からは東京に行くし、リザルツさんなど多くのおもろーな活動をしているとこに通いたい。