老人と海 (新潮文庫)/ヘミングウェイ
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読みました。ヘミングウェイ。
積んでいた中で、一番薄かったので、チョイス。
今までアメリカ文学はあんまり読んだことがなかったのですがー
というかヘミングウェイくんがお初にお目にかかるのですがー
うん、楽しかったかな。(この先、軽くネタばれ)


キューバの漁師サンチャゴが不漁の先にびっくりするくらい大きなカジキマグロに出会う。
必死に殺したものの、帰りにサメに食いちぎられるというお話。

何がよかったか??
外面描写とサンチャゴという人間。

前者はとにかく細かくリアルに描き出す。そのままの情景が思い浮かぶほどに。
魚をさばいて食べる様。漁で負った深い傷。マグロを殺すまでの戦い。極限の疲労。
彼が何をどうしたのかが読むだけで体に染み込むようにわかった。

後者は、まずサンチャゴの物事に対する捉え方が好きだ。
彼が鳥と生について言及した部分を、「老人と海」から一部抜粋すると、

『鳥ってやつは俺たちより辛い生活をおくっている。悲しい小さな声をたてながら、水をかすめて
あさりまわるあの小鳥たちは、あんまりひよわに造られすぎているというもんだ』

『あらゆるものが、それぞれに、自分以外のあらゆるものを殺して生きているじゃないか。
魚をとるってことは、おれを生かしてくれることだが、同時におれを殺しもするんだ。
いや、あの子(マグロ)がおれを生かしてくれているんだ』

ピーピー鳴いている鳥の気持ちになって自分は恵まれているということを振り返る。
今から殺すマグロを兄弟と呼び、感謝の心をもち、殺す。殺した後も親友、いや戦友のようにふれあう。

この小説を読んで、ただただ素敵な話やなーと思った今日この頃でした。
ブクログに書いていかなきゃなー。