続いて【高千穂の怪】第二話です。
前回の時とは違って、この日は台風が日向灘を北上していました。
時刻は前回と同じように、夜の十二時を過ぎていました。
そして、前回と同じ山道に差し掛かりました。
前回と違っていたのは、台風の接近で、とても風雨が強い夜だったと言う事です。
さっきから、小便がしたくてずっと我慢をしていました。
と言うのも、一つは前回の記憶があったし、何より風雨が強くてずぶ濡れになるのが嫌で、適当な場所がある所まで我慢をしていたのです。
しかし、私の膀胱もとうとう限界に近づいて来ました。
ふと見ると前方に広場が見えて来ました。
広場の周りには大きな樹が茂っているので、少しは風雨を凌げそうです。
それに、もうこれ以上我慢出来そうにありません。
考えた末、その広場で用を足す事にしました。
広場の隅で、強風に傘を煽られながら用を足しましたが、ずっと我慢をしていたので、用を足し終えるまでには、ずいぶん長い時間がかかってしまいました。
やっと終わり、排泄後の快感でホッと一息つきました。
そして、何気なく横を見てギョッとしました。
そこには、車のライトの灯りに照らされて、青白い顔をした人影が立っているではありませんか!
日頃幽霊を信じていない私も、飛び上がるほど驚きました。
これこそ、文字通り【縮みキ●タ●】です。
たまがる(たまがあがる)とはこの事でしょう。
しばらく、凍りついたように、その人影を見つめていました。
しかし、いくら見つめていても、その人影は動きません。
落ち着いてよくよく見ると、なんとその人形は警察人形だったのです。
昔、よく道路わきに立っていた、あの警察人形だったのです。
その人形が古くなっていたのと、真っ暗闇の中で、雨に濡れて車のライトで照らされていたのとで、不気味な青白い人影に見えたのです。
しかし、こんなに人気がなく、ほとんど人通りもないところに、何故警察人形があるのでしょうか?
人を驚かそうと思って、誰かが何処かからこの警察人形を運んできたのでしょうか?
もしそうなら、とんだ悪戯をする人がいたものです。
おかげでずぶ濡れになってしまいました。
こんな場合は、警察にクリーニング代を請求できるのでしょうか?
もし、風邪でもひいたら、警察に治療代を請求できるのでしょうか?
恐さが治まると、こんな馬鹿な事を考えました。
これで、二度目の高千穂の怪の正体は警察人形と分かりました
しかし、それなら、最初の時に出会った、子守りをしていた女の人の正体は、いったい何だったのでしょうか?
思い返しても、あれは絶対人形ではありませんでした。
その証拠に、あの人は歩いていたのですから・・・。
山深い高千穂の森の中には、何か得体のしれないものがいるのかも知れません。