四川・雲南の思い出(29) 師の教え  | btf20102のブログ

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玉龍雪山のふもとに着きました。

ふもとには、雲杉坪(ウンサンピン)に昇るためのリフト乗り場があります。


雲杉坪でゆっくり出来るようにと思って、今朝はいつもより早めにホテルを出ました。


しかし、私達が着いた時は、すでにリフト乗り場はたくさんの人であふれ、リフト待ちの長い列が出来ていました。


早速、私達も列の後ろに並びましたが、この場になっても、私は、『リフトに乗るべきか、乗らざるべきか、それが問題だ』と、ハムレットのような心境で迷っていました。


私の地方には『馬鹿と鶏の高上り』と言うことわざがあります。


意味は、文字通り『馬鹿と鶏は高い所が好きだ。』と言う意味です。


このリフト待ちの長い行列を見て、世の中には命知らずの馬鹿者が何と多い事かと、驚いてしまいました。




行列に並ぶ事約一時間。


あれこれ迷っている内に、とうとう私達の順番が近づいて来ました。



その時、いきなり中学生の一団が乱入して来ました。


文字通り【乱入】と言う言葉がピッタリの現れ方でした。


そして、あろうことか、引率の先生と思われるオッチャンが、リフト待ちの行列の最前列に、生徒たちを割り込ませました。


生徒たちも生徒たちで、全く悪びれた様子もなく、並んでいる人達を尻目に、次々にリフトに乗り込んでいます。


並んでいる人達は、あっけにとられて、その様子を見ていました。



私は頭に来てしまいました。


私『コラー。馬鹿たれどんが。こすかこつせんたっちゃ、ごろごろ並ばんか!(これこれお馬鹿さん達よ。ずるい事をしないで、さっさと並びなさい。)』


大きな声で、注意しましたが、先生も生徒も怯んだ様子はありせん。


怯むどころか、私を睨みつけている生徒もいます。


先生らしいオッチャンも平然としたものです。


呆れてしまいました。



当時の中国は、ようやく経済発展が端緒についたばかりで、旅行出来る人たちはそんなに多くはありませんでした。


だから、この一団は、おそらく中国のお金持ちの子供達でしょう。


多分、この子供達は、昆明花博を見たついでに、社会見学を兼ねてここに来たのでしょう。


それは学校行事か、親たちの意向か知りませんが、社会科見学の教育目的は一体なんなのでしょうか?


それに、引率の先生の教育理念とは一体何でしょうか?


この不愉快な光景を見て、私は思いました。


『引率の先生は、自然の美しさや、大人になるためのマナー、旅先での旅情や美しい思い出よりも、中国の社会の生存競争の厳しさと、それに勝ち抜くための生き方を教えているのだろう』と。


そう思うと、周りの景色の美しさとは裏腹に、寒々とした気持ちになりました。


そして、そっと心の中でつぶやきました。


『ご苦労さん・・・。』



私の海外旅行の経験の中で、嫌な思い出は、数えるほどしかありません。


その数少ない経験の中の一つが、この時の出来事です。




続く