最近、ヌーディーは、日本語が下手になっています。
日本語を使う機会が減ったので、無理もありません。
私がタイに行くのは、多くても年に3~4回程度で、滞在期間も、一回に7~10日ほどですから、私と話すのも、一年でわずかな日数しかありません。
ヌーディーがチェンマイにいた頃は、ロングステイしている、私の友達の家に遊びに行って、日本語を話す機会がありましたが、バンコクに来てからは、その機会もありません。
ヌーディーの大学の専攻は、中国語でした。
それに、バンコクの看護学校では、中国人や韓国人やベトナム人の友達はいますが、日本人の友達はいません。
友達同士で話す時は、いつも英語を使っているので、いきおい、日本語が下手になってしまったのです。
ある日、タイの政府関係の人と、夕食をする約束をしていました。
そこで、この際、ヌーディーを紹介しておこうと思って、一緒に連れて行く事にしました。
いつもなら、ヌーディーを連れて、そんな所は通らないのですが、その時は、予約していたレストランがその近くだったのです。
それに、BTSの駅から、そのレストランに行くには、そこを通らないと、とても遠回りになってしまうのです。
『そこ』とは、いつも、私が飲みに行く、タニヤの飲み屋街です。
通りでは、知り合いの、チーママやホステスのオネエサンが、店の前に立って呼び込みをしています。
その中に、チーママのアオイばあさん(WBさんの話②参照)の姿がありました。
アオイばあさんは、私が、若い女の子を連れているのを見て、冷やかします。
『社長!その娘は社長の女ですかー!』と、辺り構わぬ大声で叫ぶのです。
すると、ヌーディーは、アオイばあさんに負けないような大声で、『そーですよー。』と叫んで、得意そうに、アオイばあさんに手を振っていました。
アオイばあさんは、あっけにとられた顔をしているし、呼び込みのオネエサン達は、手を叩いて、冷やかします。
私は、すっかり慌てて、アオイばあさん達に、どう説明していいのやら、困ってしまいました。
しかし、ヌーディーは、そんな事など気にも留めず、花道を歩く役者のように、観客のオネエサン達に手を振りながら、歩き去りました。
食事をしている時、ヌーディーに、『さっき、アオイばあさんが言っていた意味が分かったのですか?』と聞きました。
すると、ヌーディーは『分かりませーん。でも、みんなが手を叩いて喜んでいました。』と、あっけらかんとした調子で答えました。
何と言うサービス精神旺盛なヌーディーでしょうか。
ヌーディーの天然ぶりに、更に磨きがかかって来ました。