幻のホームステイ | btf20102のブログ

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ここから先は、ホームステイ後のヌーディーとの思い出を、書いて行きます。



ヌーディーは、今、チェンマイで大学生活を送っています。


私は、暇を見つけては、タイへ行っています。


私が、チェンマイに行った時には、必ずヌーディーが、ホテルに会いに来てくれます。


そして、夕食は必ず一緒に食べる事にしています。


一緒にいる時には、ヌーディーは、いつも、ホームステイで楽しかった事、おかあさんの料理が一番おいしかった事、ブレイキーやテンスケやフータと遊んだ事など、日本の思い出を、懐かしそうに話します。


家に帰ってから、その話をすると、女房もヌーディーに会いたくてたまらなくなるようです。



女房と相談して、二年後に、もう一度ヌーディーを、我が家に呼ぶ事にしました。


ヌーディーは、一度日本でホームステイした経験があるので、今度は、最初の時ほど、面倒な手続きは要りません。


そこで、KNさんにビザの申請と、航空券の手配を頼みました。


今度のホームステイも、最初の時と同じく、学校の休みの期間にしました。


丁度その頃、KNさん夫妻も、日本に帰って来る事になっていたので、一緒にヌーディーを連れて来てもらうように、頼みました。



ヌーディーの二度目のホームステイの準備も、すべて完了しました。


明日チェンマイを出発すると言う日の夕方になって、ヌーディーから、電話がかかってきました。


電話に出ると、『おとうさん、パスポートがなくなりました。』と、全く緊迫感を欠いた、ヌーディーの声が聞こえて来ました。


驚いた私が『よく捜しましたか?どこで無くしたのか、よく思い出しなさい。パスポートがないと、日本へ来られませんよ。』と言っても、


ヌーディーは『よく捜しましたが、どこにもありません。多分、バイクで学校から帰る途中に落としたと思います。』と、これまた、全然屈託のない声で答えます。


電話では、あまり差し迫った様子は感じられません。


最初は、冗談かと思ったくらいです。


『どうしようか。』と、心配している私に、ヌーディーは、さらに追い打ちをかけます。


ヌーディー『でも大丈夫です、おとうさん。私はコピーを持っていますから。』


ヌーディーは、落ち着いた声でそう言いました。


私が『コピーではだめです。』と言っても、


ヌーディーは『飛行場でお願いします。IDカードも持っているので大丈夫です。』と言い張って聞きません。


私は、こんな事態を、全く想定していませんでした。


だから、変更不可のディスカウントチケットを取っていたのです。


この時間では、チェンマイの旅行社の営業時間は、終わっています。


チケットの変更もキャンセルも出来ません。


明日になれば、全額キャンセル料として取られるので、返金もありません。


もったいない話ですが、今回は、ヌーディーに、ホームステイを諦めてもらうより仕方がありません。



後日、KNさんが日本に帰国してから聞いた話ですが、ヌーディーは最後まで納得しなかったそうです。


しかし、自分がパスポートを亡くしたのですから、自業自得と思って、あきらめてもらうより仕方がありません。


こうして、ヌーディーの二回目のホームステイは、幻のホームステイになってしまいました。



翌日、ヌーディーを連れて来てくれるはずだった、KNさん夫妻を、空港まで迎えに行きました。


KNさんに立て替えてもらっていた、ヌーディーのチケット代を支払わねばならなかったし、いろいろ心配をかけて申し訳なかったからです。


ヌーディーのを話しながら、KNさん夫妻を、家まで送る途中、ヌーディーから電話がありました。


電話からは、これまた底抜けに明るい、ヌーディーの声が聞こえて来ました。



ヌーディー『おとうさん、パスポートが出て来ましたよ。』


私『どこにありましたか?』


ヌーディー『コピー屋さんです。パスポートをコピーした時、コピー機には挟んだまま、忘れていました。これで、日本へ行けます。』


『日本へ行けます。』と言っても、もう後の祭りです。


ヌーディーが持っているチケットの、日程変更は出来ないのです。


『パスポートが出て来たから、日本へ行ける。』と言い張るヌーディーを説得するのに、一苦労しました。



それにしても、ヌーディー、あなたはまだ十九才ですよ。


まだ、ボケる年ではありません。


本当に、ヌーディーは、【天然娘】です。



それから、さらに三年後。


再度、ヌーディーを日本に呼んでやりました。


その時は、ヌーディーはチェンマイ大学を卒業して、バンコクの看護学校へ行く前でした。


今度は、ヌーディーはパスポートを無くさず、一人で日本に来ることが出来ました。


もっとも、日本に来る前に、私と女房が、何度もパスポートを確認するように注意しました。



※後日談


幻のホームステイの時は、KNさんにチケットの手配を頼んでいたので、チェンマイの街中の旅行社で、チケットを購入したそうです。


その事を知ったプイさんが、その旅行社と、いろいろ交渉してくれたそうですが、無理だったそうです。


すっかり、プイさんに、迷惑をかけてしまいました。