どうせこのままホテルに帰っても何もする事がありません。
それに、現地の人達ばかりの飲み屋にも興味があります。
でも、こんな夜更けに全然知らない所へ行くのも心配です。
果たして危険はないでしょうか?
どうしようか迷いました。
しかし、せっかくのジンさんのお誘いだし、マスターの勧めもあったので、結局行く事に決めました。
それに、私にはマスターからもらった水戸黄門の印籠代わりの名刺があります。
私『ジンさん、行きましょう。』
ジンさん『ちょっと遠いので、私のモーターサイで行きましょう。後ろの乗って下さい』
私『嫌です。勘弁して下さい。まだ新聞沙汰にはなりたくありません。』
すったもんだの末、私はトゥクトゥクで、ジンさんは自分のバイクに乗ってその店に行く事になりました。
私がトゥクトゥクに乗るとジンさんが運転手のオッチャンに行き先を言いました。
果たして大丈夫でしょうか?
トゥクトゥクは快調に飛ばします。
ジンさんはバイクでロノロついて来ます。
みるみるうちにどんどん離れて行きました。
トゥクトゥクはしだいに郊外へ行きます。
あたりは真っ暗になりました。
周りには畑や林があるだけで人家は見当たりません。
私はこんな所に来た事はありません。
一体ここはどこでしょうか?
そんな私の心配をよそに、真っ暗な道をトゥクトゥクはピュンピュンとばします。
三十分も走った頃、遠くにチラホラと灯りが見えてきました。。
トゥクトゥクはそれからまたしばらく走りました。
ジンさんのバイクはもう見えません。
トゥクトゥクのオッチャンは一体私をどこへ連れて行くつもりでしょうか?
本当に行き先を知っているのでしょうか?
もしかしたら道を間違えているのではないでしょうか?
それともこのまま何処かへ連れて行かれて、身ぐるみ剥がれて放り出されるのではないでしょうか?
私の不安は、頂点に達しました。
続く