
先日、自作小説『景卿のキャンディショップへようこそ』のイメージ画を、生成AIの補助を借りて6種類作ってみました。
もともとは、WEB小説投稿サイトごとに感じている雰囲気を、同じ構図の絵で描き分けてみよう、という軽い実験でした。
画像のベースはGPTに作ってもらい、私のほうで加筆や調整をしています。6枚とも、同じ小説のイメージ画です。
ところが、並べて眺めているうちに、どうも妙なことになってきました。
頭の中に、書店ができてしまったのです。
①はサブカルチャー系の賑やかな棚にありそう。
③は絵本コーナー。少し古風な海外の大判絵本のようです。
⑤は、私自身の好みが最も出ている気がします。色彩もコントラストも控えめで、6枚のなかではかなり地味です。
そして⑥。これは、古書店の鍵付きガラス棚に入っていそうです。
店員さんにお願いしないと出してもらえない、ちょっとしたヴィンテージもの。
しかも③と⑥を見比べていると、⑥の古い怪奇文学を原典として、後年、③のような児童向けのカラー絵本が出版されたのではないか……という、存在しない出版史まで浮かんできます。
もちろん、そんな出版史はありません。全部、私が先日作った画像です。何をやっているんでしょうねえ。^^;
さて、ここからが少々ややこしいところです。
①と⑥は、表現としてはずいぶん遠くにあります。片方は毒々しいほど賑やかで、片方は古い木版画のように静かです。ところが、よく見ると、どちらにも姫とドクロの人形がいます。
①では、雑貨店で売っていそうな、ちょっと悪趣味で可笑しい玩具。⑥では、古い寓話に登場する、何やら意味深な象徴。
でも、実は同じお話をしているのかもしれません。こういうことを考えていると、表現の違いというのは、必ずしも一直線上に並んでいるわけではないのだなあ、と思います。
ポップとクラシック。
コメディとホラー。
大衆的なものと、少々マニアックなもの。
一見、反対側にあるように見えても、別の角度から眺めると、意外なところで接している。サイコロの異なる面のようでもあり、球面上の離れた地点が、ぐるりと回ってつながっているようでもあります。
もちろん、そんな単純な立体だけで説明できるものでもないでしょう。表現というのは、もっと複雑に入り組んで、あちらこちらで溶け合っているように感じます。そして、そういうことを考えるのが、私は昔から妙に好きなのです。
今回、6枚の画像を使って、Xでちょっとしたアンケートをしてみることにしました。
「あなたは、どれがお好みですか?」
という、ごく普通の質問です。
本当はここで、
「表現というものは、サイコロや球面のように多面的であり、互いに遠いようでいて、実は――」
などと書き始めたいところですが。そんなことを言われても、見ている方は困ると思います。ただ好きな表紙を選びに来ただけなのに、いきなり表現論が始まってしまう。
これでは、キャンディショップの店先でお菓子を選んでいたお客さんに、店主が突然、菓子文化の歴史と分類体系について講義を始めるようなものです。
そんなわけで、アンケートでは難しい話は伏せておきました。好きな番号を選んでいただけたら、それで十分です。
そして私は、こちらの日記で、架空の書店をうろうろしています。
……しかし、⑥の本はいったい何円なんでしょうねえ。
古書店の店員さんに、ちょっと聞いてみたいところです。^^;