僕らは時間と距離と始まりが怖くて、がんじがらめになっていた。
こたつで交わしたキスと、廊下で被いかぶさって来て重ねたキス。
僕らのキスはこの二回だけ。
あのキスについて話そう。
なぜ僕らはあれからキスを交わさなかったのだろう。
始まりがあると、終わりがあると知っているから、僕らは臆病になってしまった。
私にはわかるの、私たちは結ばれないから。でも、結婚してもあなたの事を想っているよ。運転しながら僕はそういう君の言葉を電話口で聞いた。
太く強かった紐は、10年で一本の今にも切れそうな糸になってしまった。
それでも断ち切れないのにはきっと理由があるんだ。
その細い糸を手繰り寄せて二人抱き合えた時には、あのキスについて話そう。
こたつで交わしたキスと、廊下で被いかぶさって来て重ねたキス。
僕らのキスはこの二回だけ。
あのキスについて話そう。
なぜ僕らはあれからキスを交わさなかったのだろう。
始まりがあると、終わりがあると知っているから、僕らは臆病になってしまった。
私にはわかるの、私たちは結ばれないから。でも、結婚してもあなたの事を想っているよ。運転しながら僕はそういう君の言葉を電話口で聞いた。
太く強かった紐は、10年で一本の今にも切れそうな糸になってしまった。
それでも断ち切れないのにはきっと理由があるんだ。
その細い糸を手繰り寄せて二人抱き合えた時には、あのキスについて話そう。