数学的に人材教育を考える
佐藤です。
先日、このような話を聞きました。
「部下にミスしたことについて注意しても、『ミスと言うか、こうすれば良かったですね』と返され、全く謝らないどころか自覚がないんです」
「部下のミスは管理職の責任なので、部下の評価はそれほど下がらず、管理側の私の責任ということで、私の評価が下がるだけなんですよね」
謝らない部下は困ったものです。まして、評価が部下ではなく管理側に影響するなんて、部下をほったらかして、山梨県のほったらかし温泉に浸かりながら、富士山を眺めリラクゼーションするわけにはいきません。
昔は上司に言われたら「申し訳ございません!」か、百歩譲って「すみません!」と敬語の使い方での問題があったかもしれません。
しかし、今は謝ることがTVでは報道されまくっているためか、謝ることがドラマの如く、フィクション状態になっており、実際には謝らない人が多く
「すみません!で良いから、とにかく反省して!!」
というのが現状ではないでしょうか。佐藤も高校生を担任としてまとめていますが、悪気がないところが厄介なところで、昔の指示と命令だけのやり方では通用しないなぁということを経験的に学んできました。
では、部下はどうして謝らないのでしょうか?
高校生を指導していることや佐藤の後輩を見ていて感じる2つの理由をお伝えします。それは
・ケアレスミスレベルだと思っていて、自分が悪いという概念がない
・恥をかきたくないプライドが邪魔している
です。多くは”ケアレスミスレベル”だと思っていることが原因ではないでしょうか。この場合、悪いという概念がないために
「悪くないのに、何で謝らなきゃいけないの?」
という思考が働きます。ですから、上司が問い詰めたりすると
「どうしてそこまで言われなくちゃならないんですか!パワハラです!」
と逆切れを起こすかもしれません。ですから、このような場合は現状のコミュニケーションでは通用しないので、令和時代流の部下とのコミュニケーション方法が求められます。
数学で図を書かせて問題を解かせるかのように、紙に書きながら”見える化”して部下にイメージさせることがポイントです。
部下が謝らない2つ目の理由としては”プライド”が邪魔している場合です。
プライドが高い部下に謝らせるというのは、東京スカイツリーなみに難易度が高いので、プライドを傷つけずに「次回ミスが起こらないようにするには、どうしたら良いか?」を考えさせた方が賢明です。
プライドが邪魔しているだけであって、ミスした自覚はあるからです。
ということで、謝らない部下の心理状態として厄介なのは、最初にお伝えしたケアレスミスレベルだと思っていて、悪いという自覚どころか概念がない場合です。
これは、相当なミスをしたと部下に自覚させることが求められますから、謝って反省してもらうのは二の次です。まずは、自覚させるためのコミュニケーションを取っていきましょう。
自覚のない部下に同じ失敗を繰り返させないコミュニケーション術
では、部下にミスを自覚させる方法をお伝えしていきます。まず、コミュニケーション方法は”コーチング”が土台です。つまり、アドバイス不要で、すべて部下に答えさせるのです。
ですから、あなたは教師として、部下は生徒として質問してあげながら、どれだけのミスをしたのか?気づかせてあげるのです。
また、大まかな流れとしては
①ミスした現状の状態
②何が原因か?
③本当はどうしたら良かったか?
④次回、どう行動していくか?
です。あなたはこのステップを把握しながら、一緒に部下と考えていってください。何度も言いますが、アドバイスや反論は不要です。
仮に部下が「ミスは私じゃなくて、上司が上手く説明してくれなかったから」というような責任転嫁をされ、あなたのイライラが100イラ溜まってもです。
そこは、上司として、一流人として、確かに自分にも非があったことを認め、部下に謝る勇気をもってください。まずは、あなたが見本を見せるのです。
このステップを踏みながら、部下の考えを紙に書き、見える化してあげることで、部下も俯瞰的に自分の考えを見れるので、頭の中が整理されます。
そうすれば、次回はどうしたら良いか?アクションも見えてきますので、次回はミスしない方向にもっていくことができます。
しかし、あなたも人間です。部下にどうしても言いたいことはあるでしょう。
その場合には、「次回はこうしてくれると嬉しいんだけど、どうかな?」と、部下がして欲しい行動に対して、あなた嬉しいという気持ちを伝え、命令ではなく「どうかな?」と相手に決定権を委ねる会話をしましょう。
令和時代流のコミュニケーションとは、決定権を与えながら主導権をもつ会話です。
人工知能の発達のお陰様で、ようやく教育も頭を使わないと上手くいかない時代が来ました。あなたは嫌かもしれませんが、教育は誰もが難しく感じるものです。
ということは、あなたの教育力が上がれば周りよりも抜きんでることができます。業績も上げることができます。ですから、教育力を磨くことはチャンスなのです。
多くの管理職は、部下育成に対してイライラしています。しかし、何も解決できないし、楽しめないので何一つ良いことがありません。
イライラポイントを貯めるのではなく、ホメホメポイントを貯めましょう。部下を褒めたり、認めてあげたりしてポイントを貯めていき、100ホメを目指しましょう。
100ホメ達成した暁には、あなたはホメホメの達人となり、ムツゴロウさんなみの人気及び対応力を身につけていることでしょう。
けっこう深いコミュニケーション方法をお伝えしました。ぜひ、ご活用いただいてあなた自身が魅力人となり、部下を輝かせてください