とても仲の良かった友達が、今月天国に旅立ちました。
友達のKちゃんは33歳でした。
病気と戦い、最後まで一切弱音を漏らさず、まわりのみんなに心配かけまいと元気な素振りでずっと笑顔でした。
昨年の大晦日、Kちゃんから電話が架ってきました。
「実は余命があと2ヶ月と告げられたんだ。でも全然諦めてないし、治るイメージしかない」
3年前、1,000万人に一人という極めて希な癌と診断されました。
しかし、その後とても調子が良く、腫瘍も小さくなり、数値もドンドン改善していました。
昨年の10月に体調が急激に悪化します。
その時は私たちはその事実をまだ知りません。
各々仕事も忙しく、やろうと言っていた忘年会も出来ませんでした。
そして、大晦日に電話が架ってきます。
Kちゃんは言います。
「忘年会したかったなぁ、みんなと会いたかった」
Kちゃんの同意を取り、仲の良いメンバー何人かと連絡を取り事実を告げます。
正月も開け切らない頃、彼の家族にも許可を頂き、みんなでご飯を食べに行きます。
後日、分かったことですが、痛みを緩和する為の医療用麻薬で意識は朦朧としていたと言います。
元々あった癌が転移したのです。
肝臓、肺、骨、リンパ、相当痛かったと思います。
その後、彼は入院をします。
いわゆる緩和病棟です。
誰一人諦めません。
「最新の治療を3月に受ける事が出来る。」
彼は笑顔で、その治療方法を自信たっぷりに話てくれました。
テレビで特集されていたものを録画してあり、それを見ながら説明をしてくれました。
いける!
この治療方法なら勝てる!
私たちは信じて疑いませんでした。
しかし、葬儀後、事実を知り愕然とします。
昨年の10月の時点であらゆる検査をした結果、その治療方法すら適応出来ない事が分かっていたそうです。
彼が言った
「治療方法があるから大丈夫なんだ。」
みんなを心配させないために言った嘘でした。
彼が亡くなる前日、友人と病室の前まで行っています。
「処置中」
面会が出来ないというフダが病室の扉にかかっていました。
もう少ししたら、終わるかもしれないから、ちょっと待ってみようよ。
フダは外される事なく、私たちは、また来ようと、病院を後にしました。
翌日の朝、彼は旅立ちました。
お通夜と葬儀に参列し、お棺の中で眠るように横たわる彼と対面しますが、まったく実感が湧きません。
「ピンとこんわ」
ずっと呟いていました。
通夜式が終わり、お棺の前で友人達が集まり、たくさん話をしました。
式場を出ようととした瞬間、涙が止まらなくなります。
これを書いてる今も涙が出てきます。
私は葬儀の仕事をしています。
現場には慣れています。
わりと不感症で涙が出る経験は記憶にありません。
しかし、どうも勝手が違います。
葬儀から何日か過ぎて、共通の友人と話をしました。
私達が知らなかったKちゃんの最後の数年のエピソードを聞きました。
それはとても充実していて、羨ましいほどの一編でした。
なんだか救われた気ました。
私達は話をしました。
彼のように生きることができるだろうか。
もし、自分が同じ立場になったとき、彼ように振る舞えるだろうか。
強く、優しく、とても大きな愛の持ち主でした。
今、友人たちと、
「四十九日を過ぎたら、墓参りに行こうね」
と、話をします。
なんとなく、彼が旅立ったことを受け入れています。
葬儀業界に入って23年、葬儀という
『お別れの“場”』
の大切さを痛感します。
どんな葬儀形態であってもいいから『お別れ』が出来ないと、ずっと心に引っかかります。
そして、あらためて死を考えることで生きるという事を考えます。
大谷由里子先生が講演でおっしゃる、
「今日という一日は、誰かが生きたかった一日かもしれない」
今場より深く理解できます。
あるお寺さんはいいます。
「今を一生懸命に生きることが、何よりのご供養になるんです」
今日一日を大切に精一杯生きたと思います。
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